2012/10/08

アイスデビル


キャッツアイ
Synthetic Cats Eye
産地/年代不明



アンティークの重厚感あふれるペンダント。
ムーンストーン・キャッツアイを模して、ヨーロッパで製作されたものと伺っている。
戦後すぐ、或いはそれ以前の作品ともみえる華やかで煌びやかなデザイン。
時代遅れの感はあるが、美しい。

キャッツアイといえば、人工キャッツアイの開発者である飯盛里安博士。
ヴィクトリアストーンという宝石を世に遺した偉大なる研究者である。
驚くべきことに、ヴィクトリアストーンと銘打って、廉価な赤いキャッツアイにこのブログの解説を添え、オークションで販売された人物が現れた(プライバシーの観点から、記事へのリンクは控える)。
ソースを明示してくださったおかげで、その事実がわかった。
心から感謝申し上げる。
ただ、偽物に自分の解説を使われては、悲しくてやりきれない。

今回は写真のペンダントではなく、ヴィクトリアストーンがきっかけでその存在を知ったばかりの、ある石の謎に迫ってみたい。

富を幸福と位置づけるアジア諸国においては、コンテンツの流用は半ば当然のこと。
中国の擬似ミッキーマウスに代表されるように、著作権に金銭が発生する以上、幸福の妨げになるような権利は避ける必要がある。
貧しい東南アジアの国々においては、事実上、著作権は存在しない。
それを経済的な貧しさとみるか、心の貧しさとみるかは、人それぞれだ。

表現の自由という権利も存在する。
権利のみを主張し義務を怠るのは、誤りとされている。
いっぽうで、両者が相容れない関係なのもまた、現実である。
著作権や肖像権、或いは人権を、自由や幸福追求の権利をもって否定する行為を、正義とみなす向きもある。
そんな世の中にあって、氏がソースを明示してくださったことについて、同じ日本人であることを誇りに思う。
ただ、私は納得していない。
その後、多くの方から貴重な情報やご感想をいただいた。
心ある方から、氏がどうも不審なビジネスに関わっておられるのではないか、というお話を伺った。
事実関係や今回の記事の如何について確認するため、ご本人には何度もお電話を試みた。
現在も連絡は取れずじまいゆえ、私なりに記させていただこうかと思う。

氷の悪魔と呼ばれる水晶があることはご存知であろうか。
欧米のヒーリングストーンを中心に集めておられる方にとっては初耳かもしれない。
氷の悪魔の化身、マダガスカル産アイスデビル。
恥ずかしながら、私自身初耳であって、手持ちはない。
欧米のクリスタルヒーラーを経由して入ってきたなら噂になってもよさそうなものだが、ごく一部で知られるのみだという。
ずいぶん前、マダガスカル産 "アイスクォーツ" という氷のように美しいローズクォーツが流通したが、アイスデビルの価格はその十倍以上。
ごく普通の透明水晶の塊が、軒並み一万円を越えている。
さらに奇妙なことに、このアイスデビル、先の人物が流通、普及に関わっているというのである。

キリスト教の影響下にある欧米で、倫理的にシリアスな意味合いを持つデビル(悪魔)。
善悪を厳しく二分するキリスト教的価値観において、神の対極をなす悪魔が神聖視されるとは、奇妙である。
魔女の名を与えられたウィッチズフィンガークォーツに関しては、クリスタルヒーリングにおける神秘主義的な観点から、高い支持を得ているものと聞く。
アイスデビルもその延長なのだろうか?

宗教的倫理観は、我々が思うほど曖昧なものではない。
私たちは欧米人を真似て「ゴッドブレスユー!」「オーマイゴット!」などと叫んだりする。
ここで用いられる「ゴッド」は神、つまりイエス・キリストのことを指している。
一般に、人に対して「ゴッド」という表現は使わない。
マダガスカルにキリスト教徒が存在し、アイスデビルが現地名であるならば、なにか特別な理由があるはずだ。
しかし、アイスデビルの名の由来に関する、具体的な記述はどこにも見当たらない。

マダガスカルではどのような信仰が一般的なのか、調べてみた。
Wikipediaによると、マダガスカルにおいては、アニミズム信仰(自然等を崇拝する、土着的な信仰)が最も親しまれている様子。
いっぽう、国民の49%がキリスト教徒であるとのこと。
マダガスカルもキリスト教圏に含まれると考えるなら、アイスデビルはおそらく現地名ではない。

キリスト教圏で "デビル" が徹底的に忌み嫌われるわけではない。
子供たちはデビルが大好きだという。
実際、欧米の子供向けテレビゲームに "アイスデビル" という敵キャラクターが登場する。
ただ、アイスデビルの名の由来になったとは考えにくい。

思うにアイスデビルはアジアを経由し、ビジネス目的で日本に大量に輸入された…
ならば、アンダラクリスタル並みの価値を与えられている現状、またその不透明な(或いは呪われた)存在を、放置しておくわけにはいくまい。
ただし、アイスデビルが、かの人物の考案した高波動クリスタルであったとしたら、これ以上の言及は控えなければならない。
多少なりとも関わりを持った人間を責めようなら、憎しみや悲しみが生まれる。
私はアイスデビルの正体を知りたい。
ただ、それだけだ。

実は私は過去に、その人物からいくつか鉱物を購入していた。
ご本人はおそらく、それをたどってこのブログをご覧になったのだろう。
私が氏から購入した鉱物は、全て加熱処理や放射線処理が施されており、切断面が顕著で、コレクションとしての価値は皆無であった。
また、奈良県産として購入したレインボーガーネットは光らなかった。
市町村の規定に従い、処分した。
ご指摘を受けるまで忘れていた。

もしあの赤黒いキャッツアイが飯盛博士の作品であったなら、博士に詫びなければならない。
飯盛博士のご遺族のお名前を出されては、ただうつむくしかない。
私にはあのキャッツアイが時代を超えて輝き続けるとは思えない。
血も滴るアイルデビル。
なんて恐ろしい響きだろう。
あまりの恐怖に、私は空を飛びたい気分である。
氷の悪魔が、暗闇の淵から密やかに微笑んでいる。




出品者様が飯盛博士のご遺族から受け継いだキャッツアイ。
商品解説にはなぜか私のヴィクトリアストーンの記事が。


25×25×7mm(チェーン40cm )144.40g



アイスデビルの正体がわかりました。詳細はこちらからどうぞ。

2012/10/07

フローライト(ワインレッド&オリーブ)


フローライト Fluorite
Pine Canyon Deposit, Westboro Mts., Grant Co., New Mexico, USA



秋のミネラルショーが始まった。
今回は、以前アップした記事を。
フローライトは私がこのところ特に気に入って集めているのだけれど、ショーでもたくさんの素晴らしい標本に出会った。
色合いやその混在の様子、模様、質感、存在感など、それぞれが個性豊かでひとつとして同じものはない。
フローライトで世界一周がしてみたい今日この頃。

花のように結晶した可憐なフローライト(蛍石)。
ワインレッド・カラーの下にはオリーブグリーンが隠れていて、額縁のように枠を成している。
これをゾーニングと呼んでいる。
専門用語はなるべく使いたくない。
なぜなら私にもよくわからないからである。

ゾーニング。
大雑把に言えば、額縁。
結晶内部の色の境目を指して、そう呼んでいる。
写真のようにくっきり色合いが分かれていることもあるし、どちらかというとファントムに近い、ぼんやりとした色彩の帯であったりもする(→同じニューメキシコ産のフローライトにみられるゾーニングの顕著な例)。
蛍石のゾーニングの定義は曖昧で、感覚的に使っている人も多いという印象を受ける。
ファントムとはまた違う。
この標本を語る上でゾーニングの美意識を外すことはできないので、是非とも押さえておきたい。

産地からは、赤紫と黄緑の色合いを基調とするフローライトが発見されている。
多くはクラスター状に成長しており、無数の八面体結晶が発達した刺々しい姿をしている。
この標本とは逆に、オリーブグリーン・カラーが表面を覆っているために、色味に濁りを感じることもある。
赤紫と黄緑は色相環において正反対の位置、補色にあたる。
色の相性としては最も難しい。
補色同士が混ざり合うと、暗く濁った色合いになる。
いっぽう、補色関係にある赤紫と黄緑を並べると、互いの色がより鮮やかに見えるという相乗効果がある。
フローライトだから実現するゾーニングの魔法。
お手持ちのフローライトにも確認できるはずなので、見つけていただきたい。

華やかなフローライトの花が咲いている。
いったい何の花に喩えればよいだろう。
日本の家庭環境に優しいサムネイル・サイズの標本から広がる無限の宇宙。
私はこれを盆栽と名づけたい。


31×22×19mm  12.71g

2012/10/03

アメジストエレスチャル


アメジストエレスチャル
Amethyst Elestial Quartz
Karur, Tamil Nadu, India



以前カボションカットされたものをアップしたが、今回は原石を。
南インド・カルール産出のエレスチャルアメジストである。
スーパーセブンの全盛期、その発色が本来のそれより美しいために、南インド産スーパーセブンとして出回ったことは前回にも記した。
日本に入ってくる段階でほとんどは研磨加工され、ルースや六角柱の置物になってしまっていた。
原石の魅力について語られる機会は、少なかった。

写真は現在も僅かに流通のあるカルール産アメジスト。
世界中から産出するアメジストの中でも、紫の絶妙な色合いにおいては、メキシコのベラクレスアメジストに匹敵する美しさ。
魅力はその色だけではない。
クラスター、エレスチャル、セプタークォーツ、フラワーアメジストに近いもの等々、様々な形態がある。
この標本には白いしっぽのようなものが付いている。
私の手持ちのカルールのアメジストには、なぜかすべてしっぽがついている。
白いしっぽの飛び出した水晶には、他にも見覚えがある。
いずれご紹介したい。

南インドにヒマラヤ山脈があると思っている方は多いようだ。
インドの話題が続き申し訳ないのだが、南インドと北インドでは、気候や街並み、人々の様子、食事の味や言語に至るまで、全く異なっている。
インドの公用語は、英語である。
州によって言語や文字が異なるから、インド人同士でも言葉が通じないことがある。
古くは英国の統治下にあったインド。
年配の方々は、イギリス訛りの英語を使われることが多い。
フェイスブックに "Indian English" というカテゴリがあるように、現在インドで用いられている英語は、インドに独自のアレンジがなされている。
英語を母国語とする英米とは異なり、許容範囲は広い。

先日、南インドとは何ぞや、というお話が出た。
中には南インド=サチャロカ、と認識しておられる方もいらっしゃるご様子。
南インドは私たちが考える以上に広大なのである。
情報としては不十分であるが、いったいどんなところだったか、少しだけ書かせていただこうと思う。

私が一人、南インドに上陸したさい、日本人旅行者は皆無であった。
日本でストーカーに追われ、命の危険を感じた。
インドに行くときは、おそらく生死の選択を迫られたとき。
幼い頃からそう思っていたが、遂にその時が来てしまった。
折りしも一年で最もチケットの取りづらい時期、突然出発を決めたにも関わらず、格安チケットにキャンセルが出たとの知らせを受けた。
十分な用意をする間もなく、私は日本を発つことになった。
インドに到着してすぐムンバイ空港で野宿したのは、そうした事情あってのこと。
安全なはずの日本で死ぬことが、周囲の人々を絶望させ、私は死後もその罪を背負うことになる。
それだけは、避けたかった。
インドに対しては、幼少期から非常に複雑な思いがあった。
私がインドに行くとすれば、人生が終わるときだという予感は、現実になった。

南インドに日本人はいなかった。
ただ、ネパールで知り合ったある日本人が、現在南インドのゴアという土地にいるはず。
その人物に会うことができれば、この絶望的な状況が好転するという一心で、私はゴアへ向かった。
一ヶ月以上に渡って、日本語が全く使えないという状況が続いた。
当初の目的地であったゴアに滞在する白人たちの多くは、開放的すぎて倫理的に無理があった。
ゴアでは性的に厳格なイスラムグループ、社交辞令に終わらない深い内容について話すことのできる地元のインド人と行動した。
あとで知ったのだが、日本人旅行者の集まる場所は、そこから少し離れた場所にあり、閉鎖的コミュニティになってしまっていたようだ。
それがかえって幸いし、私はインドが世界で一番好きになった。
私は長い呪縛から開放されたのだ。

南インドのリゾート地・ゴアには、無数のビーチが存在している。
ガイドの三郎(北島三郎に似ていたので勝手にそう呼んでいた)と友達になり、バイクのガソリン代を出し合って、ゴアにあるあらゆるビーチへ冒険に出かけたのを思い出す。
海沿いを走り、森を抜け、フェリーで川を渡り、椰子の木をかすめてどこまでも走る。
一般の旅行者が訪れない遠いビーチでは、高齢のヒッピーがウロウロしている。
一目でアブナイと感じたので、話しかけなかった。

ゴアの最も奥地にあるビーチ。
誰もいない砂浜。
清流を上っていくと、木陰からたくさんの人の集まっている様子が見えた。
ハレクリシュナ、と歌が聴こえる。
俗にいう、コミューンである。
ゴアにもまだあった。
参加してくる!と三郎に告げ、突入しようとしたら、「ここのは●●●●るから絶対に行くな!」と引き止められた。
三郎が世界的倫理観の持ち主であったことを、今でも不思議に思っている。
三郎は、しばしば左手で食事をしていたからである。

しかしながら、三郎には、地元のマフィア風の男に売り飛ばされそうになった。
ボスの間(?)に閉じ込められ、私が必死で助けを求めているというのに、三郎が新聞を読むふりをし、ニヤニヤしながらこちらを観察していたことについては、許しがたい。
マフィア風の男に激しい怒りを表明し、振り返ったときの彼の心底嬉しそうな表情を、今でも覚えている。
ブラックマネーなるものを初めて手にしたのも、三郎の仕業であった。
彼が仕事を休んで私を冒険に連れて行ってくれたことには、深く感謝している。
数々の悪巧みについても、当時だからお互い受け入れられたのかもしれない。
三郎が私を売り飛ばす気などなかったことはわかっている。
今では彼も立派な大人になり、家庭を築いていることだろう。
少なくとも十年ほど前、南インドとはそうした土地であった。




そろそろ石の話に戻ろうと思う。
左の写真を見ると、このアメジストがセプタークォーツの要素を持っていることがわかる。
その後さらに成長し、起伏に富んだ形状になっていったとするなら、しっぽはその名残りなのかもしれない。
もうひとつ、カルール産アメジストに特徴的なのが、ゲーサイトやレピドクロサイト、カコクセナイトなどのインクルージョン。
右の写真では、サンストーンのような煌きに混じって、お馴染みのピンクのファイアが確認できる。

本来、スーパーセブンはブラジルのエスピリトサントから産するものを指すということになっている。
ビーズに関して、エスピリトサント産のスーパーセブンを使うことは、ほぼ無いようだ。
過去には流通があったが、同様の水晶が世界中から産するとわかってからは、原価の安い途上国からのアメジストが用いられるようになった。
インド産もおそらくもう無いはず。
また、万が一サチャロカ産と明記されていた場合は、必ず事前にお店の方に確認されることをお薦めする。

下の写真においては、一箇所の面に雲母が挟まるように入り込み、緑を帯びて見えるほか、シトリンの色合いも入っているのがわかる。
しっぽのついたかわいい姿を楽しみながら、その内部に広がる宇宙を味わいたい。
スーパーセブンの七つの要素+雲母+シトリン+しっぽ=?




41×20×16mm

2012/09/25

アプリコットルチル(鉄カーフォル石入り水晶)


鉄カーフォル石入り水晶
Ferrocarpholite in Quartz
Diamantina, Minas Gerais, Brazil



クリアな水晶に、流れるように詰め込まれたアプリコット・カラーの針。
夕日で撮影したため、オレンジが強く写っているのだけれど、針水晶においては、ありそうでなかった色。
表記のとおり、内部の針はルチルまたは角閃石ではない。
ザギマウンテンクォーツっぽいけど、アストロフィライトでもない。
赤いルチルにコッパールチルなる石があった気がするが、銅でもない。
稀産鉱物、鉄カーフォル石(鉄カーフォライト、鉄麦わら石)の針状インクルージョンで、アプリコットに染まった水晶である。

最初にお断りしておきたい。
カーフォル石の産出はごく稀で、話題に上ることはまずない。
その仲間にあたる鉄カーフォル石はさらに珍しく、さらに、水晶に内包されたものについては、少なくとも世界に3つあることくらいしかわからない。
私のような素人が手を出すようなシロモノではない。
しかしながら、親しみを持っていただくため、私はこれをアプリコットルチルと名づける(→ルチルについての効能はこちらにございます!)。

長い間謎の存在だった鉄カーフォル石入り水晶。
先日、内部に無数の赤い針が詰まっていることに気づいた。
倉庫で作業をしていたさいに、偶然わかった。
それまで全く気づかなかった。
大慌てで撮影したため、夕日での撮影となってしまった。

購入は確か5年くらい前。
東京にいた頃だったか、ミネラルショーで白人ディーラーから購入したもの。
眉間の皺が印象的な頑固そうなオッサンが、厳かに販売されていた。
なんともいえない、近寄りがたい雰囲気だったのをはっきり覚えている。
ブースにならぶ鉱物は、聞いたことのない名前ばかり。
決して綺麗とはいえない通好みの鉱物の中にあって、ひときわ鮮やかな赤い水晶を見つけ、手に取った。
聞いたことのない名前の石。
理由はそれだけだった。
水晶は安くあるべきという素人にありがちな考えに囚われ、5000円という価格に一日悩んだ末、購入。

翌日、私は友人と、文京区にある老舗の鉱物標本専門店へ来ていた。
国産鉱物の品揃えでは国内でも定評のあるそのお店に初心者が入店するには、侍のかまえが必要である。
地元在住の友人と一緒だったため、引き下がれなかった。
店内に入ると、これまた頑固そうな年配の男女が3人、作業中であった。
当然、私たちには見向きもされない。
趣味人の集うところ、長い歴史が作り上げた暗黙の了解と、厳しい上下関係がある。
苦し紛れに、当時話題になりつつあったモリオンについて尋ねたら、蛭川の黒水晶以外はケアンゴームであると、お叱りを受けてしまった。
当時の私には蛭川(※注)が何だかわからなかった。

※注:蛭川(ひるかわ)の黒水晶:

岐阜県中津川市蛭川からは、かつて見事な黒水晶が産出した。現在流通している蛭川産モリオンと呼ばれる石の大半はスモーキークォーツ。蛭川産以外の世界中の黒水晶をすべてケアンゴームとみるならば、モリオンは既に絶産したということになる。記事はこちら

ふと、前日に購入したばかりの "Ferrocarpholite in Quartz" が浮かんだ。
折角専門家がいらっしゃるのだから、この石の正体を聞いてみようと思い立った。
そうして、最も頑固そうな初老の男性(ボス)にこの石を見ていただいたのだけど、不思議そうな顔をなさっている。
5000円したのだが相場だろうかと尋ねると、ボスはこう言った。

「それ位は、しますね」

びっくりした。
最後はお店の方々と色々なお話をし、後には特別な注文に応じてくださるなど、たいへんお世話になった。
ただ、当時は "Ferrocarpholite" の和名が鉄カーフォル石である、ということ位しか判らなかった。
ボスの言葉を胸に、謎の水晶として大切にしていた。

その後、私のミスで、透明だったこの標本はクラック(ダメージ)でいっぱいになってしまった。
初心者の自分が背伸びして購入した標本を傷つけてしまった罪悪感。
遠くから眺めるのが精一杯だった。
つい先日、この水晶の発色原因が赤い針によるものだと、偶然にわかるまで。

今思うこと。
それは、この石にまた巡り合うことは、極めて難しいだろうということ。
標本をよく見ると、私の過失以外にもダメージがあって、相当の年数が経過していることが推測できる。
過去のコレクターの流出品ではないかと考えている。
産地は水晶の名産地。
ひとつ見つかったということは、他にも幾つか見つかっている。
しかし、国内外ともに販売はない。

改めて鉄カーフォル石について調べてみた。
鉄カーフォル石は鉄、アルミニウム、チタン、マンガンなどから成る、きわめて稀な鉱物。
1951年にインドネシアで発見されたが、現在は絶産状態。
同じく絶産状態といわれるカーフォル石とは連続性がある。
原石は、葉ろう石に似た放射状の結晶の集合体で、絹状光沢をなし、オリーブ~イエローゴールド~ブラウンの色合いを示すという。

なお、産地の同じディアマンティーナから、鉄カーフォル石の針状インクルージョンを内包した透明水晶が産出した例が2件あった。
ただ、同地から鉄カーフォル石が産出した記録がないため、さらなる調査が必要として、それ以上の言及はなされていなかった。
サンプルが少ないために調査のしようがないということかもしれない。
いずれも拡大写真のみで形状は不明、針の色はどちらかというとシルバー。
いっぽう、手持ちの標本はセプターともいえそうなユニークな形状で、切断面のない完全な結晶体、流れるような針状結晶が水晶全体を赤く染めるさまなど、希少性以外にも見どころは多い。
私はただこのアプリコットカラーに惹かれて入手しただけ。
希少価値などどうでもいいではないか。

別名としてたまに出てくる「鉄麦わら石」。
確かに原石の色は、麦わら帽子に似ている。
水晶に含まれたらこんな色合いになるなんて、誰も予想しないだろう。
現時点では、この石は永遠の謎である。
いや、意外にあるのだけど、まだ誰も気づいていない?
そんなささやかな希望をもたらしてくれる、よどみのない光の束が、水晶の内部に輝いている。




45×28×27mm

2012/09/22

シルバーシーンオブシディアン


シルバーシーンオブシディアン
Silver Sheen Obsidian
Chihuahua, México



いつの間にか姿を消していたシルバーシーンオブシディアン。
そしてモサモサゴールドオブシディアン
おおっと違いますゴールデンシャインオブシディアンです。
3年前にはすでに切り替えられていたとみられる謎の黒耀石。
今回、詳しいことが明らかになりつつあるので、ご報告したい。

写真はかつてメキシコから産出した、幻のシルバーシーンオブシディアン。
ゴールドシーンオブシディアンのほうは代替品に切り替えられ、モサモサと安価で流通している(→詳細はこちらに記しました)が、シルバーについては忘れられたも同じ。
メキシコからの産出は減り、絶産はもはや時間の問題とみられる。
あれだけ身近だったこれらの石に、一体何が起きたのだろう。
わからないまま月日は過ぎていった。

先日、なにげなく眺めていた海外サイトで、私はモッサモサなゴールドのオブシディアンを見かけた。
日本だけじゃなかったのか。
表記はゴールドシーンオブシディアン。
ふと、真横にシルバーシーンオブシディアンもあることに気づいた。
一見すると見慣れたメキシコ産、だった。
目を疑った。
中国産と書いてあるではないか。

お世話になっている海外のディーラーさんがいる。
今回の事情を伝え、シルバーシーンオブシディアンをまとめてお願いした。
彼はベストクオリティのタンブルを私にわけて下さった。
まだメキシコからの産出は十分にある、なのに日本では、欧米を通すよりも安く上がる中国経由での仕入れが妥当とみなされている…
私はそう推測し、彼に伝えた。
少し間を置いて彼は、静かな口調で私に言った。

「もうメキシコからは(どちらの入手も)難しくなってきている。私も近いうちに(中国産に)切り替えることになるよ。」

驚いた。
彼はとっくに、そのことを知っていたのだ。
私などが勘づくとは思ってもみなかった…
そんなふうに、みえた。

現在国内で主流になっている、ゴールデンシャインオブシディアン。
主にビーズとして流通している。
これらが中国産であると明記しているところは、まだ見ていない。
中国からそっくりな黒耀石が出るなど、想像できようか。
広い国土を有する中国が、いかに豊富な資源に恵まれているかを示す重要な例だと思う。
現在は流通のないシルバーシーンオブシディアンのほうも、いずれ製品化されて流通するとみられる。

シルバーシーンオブシディアンを中国経由で買ってみた。
写真ではわからなかったのだが、現物を手に取り奇妙な印象を受けた。
輝きがうまく出ないのである。
価格はメキシコ産よりむしろ高額だった。
黒い黒耀石に銀のラメがまばらに載ったそれは、ゴールデンシャインオブシディアンより衝撃的だったのである。
質の悪いメキシコ産と言われたら最後、判断がつかないほど似ている。
ゴールドのほうはもともと石全体が金色に染まっているから、写真である程度判別できる。
シルバーが衝撃的なのは、その違いを言葉で説明するのが極めて難しいということ。
撮影技術があれば、全体にシーンが出ているように演出できてしまう。
つまりシルバーのほうは、実際に手にしてみないと、わからない。

今後、ゴールド・シルバーシーンオブシディアンのいずれも、メキシコ産から中国産に切り替えられると私はみている。
従来のシルバーシーンオブシディアンは黒く、光を浴びてシルバーに輝き、時にキャッツアイも見ることができた。
中国から全く同じ石が出ているなら、私は喜んで購入するだろう。
中国産鉱物を否定したいわけではない。
代替品とする行為そのものを疑問視している。
オブシディアンが主にヒーリングストーンとして流通している現状を考慮すると、これは日本だけの問題ではないかもしれない。
私が恐れているのは、産地を伏せ、メキシコ産として希少価値をつけて販売する人間が世界中に現れることだ。

先日入手した、シルバーシーンオブシディアン。
気軽に扱えるタンブルは、これが最後になると考えている。
何度も私を絶望から救ってくれた石だった。
最後に私の心を照らし、希望へと導いてくれたことに、深く感謝している。
このままでは、ゴールドやシルバーのシーンの耀う黒耀石は、市場から消える。
少なくとも私は、その姿に希望を見出せない。


27×23×23mm  20.11g

2012/09/20

マカバのペンダント


マカバ Merkabah
Heaven & Earth LLC



このところ霊的な方々とのご縁が続いたので、霊的クリスタルについて、真面目に考察してみたい。
写真のペンダントに見覚えのある方はおられるだろうか。
Heaven&Earth社プロデュース、目的別に厳選された数種類のクリスタル入りのミックスペンダントである。
輪を描くような魅力的なデザインと、ガラスケースに入ったカラフルなクリスタルの欠片。
それらの組み合わせによる大いなる力の目指すところが、その人の魂の目的というわけ。

写真は訳あって入手した「マカバ」。
アゼツライトモルダバイトブルッカイト、ヘルデライト、フェナカイト、メルカバイト・カルサイトという特殊なカルサイト、以上6種類の鉱物が入っているらしい。
なお私自身は、スピ系に対しては肯定・否定のどちらでもないという立場を貫いている。
不思議な出来事に遭遇しやすいのは事実だが、偶然であるものと考えている。

2009年2月、私はアメリカのツーソンショーで、Heaven&Earth社代表のロバートシモンズ氏にお会いした(→その時のことはこちらにまとめました)。
その直前、私はシモンズ夫人やスタッフの方とお話しながら、ふと自分に合うミックスペンダントは何だろう?と思い立った。

カタログには、目的によって様々な種類のミックスペンダントが用意されている。
「チャクラ・ハーモニー」「チャネリング」「トランスフォーメーション」「シャーマニック・ジャーニー」「エンジェリック・レルム」「リカバリー」「アセンション」、そしてシモンズ氏お得意のシナジー・シリーズ等々、ニューエイジャーさん御用達のキーワードが目白押し。
しかし、自らの魂の目的を、自分で勝手に決めてよいのか?という疑問が残る。
凡人ゆえ背伸びは避けたいものである。
だが、気になる。
折角プロのスタッフが対応してくださるのだ。
話の種にひとつ選んでいただこうと思い立った。

ミックスストーンペンダントの種類は非常に多い。
大まかには3種類に分けられる。

1)霊的上昇 ー サードアイ/アカシックレコード/ライトボディなど
2)愛と癒し ー ハートチャクラ/ポジティヴ思考/幸運など
3)保護 ー プロテクション/浄化/オーラ・リペアーなど

私に必要なのは、どれなんだろう。
おそらくは、ハート関連だろうと考えていた(その後シモンズ氏に見事言い当てられてしまう)。
ハートチャクラやエンジェル関連のペンダントを幾つも選び、シモンズ夫人やスタッフの方々に、私に適切なのはどれかと伺ってみた。

「どっちかっていうとマカバだよ」

全員が私にそう言った。
統計的に信憑性があるのではないかと、単純な私は考えた。
なんだか凄そうである。
で、マカバってなんだろう。
石に携わってのち、比較的よく聞く言葉のひとつなのに、わからないまま現在に至る。
困ったことになった。
マカバの正体をつきとめなければ、私の魂の正体もわからぬままである。

よくわかるマカバの世界(英語サイト):
http://www.crystalinks.com/merkaba.html

ここでは、マカバの概念と実践について、写真や図を用いてわかりやすく述べられている。
ユダヤ神秘主義に由来するマカバの概念は、専門家によって近年特に語られることの多い、非常に重要なキーワードだという。
マカバはつまり、高次元へ到達するための祝福の光。
「マ」は光、「カ」は精神、「バ」はボディを表す。
マカバは車輪のように光速回転し、次元を超えた光の領域へ意識を運び…
え?
回転するの?
いったい、どこまで行けば?

ああ、見落としがあった。
具体的に書いてあるではないか。
なるほど、自分でいうのも変だが「マカバ」は私にぴったりのペンダントである。
ツーソンの宿で知り合ったアーティストで、ヒーリングの知識もあるインディアンの末裔の青年。
彼が描いてくれた私の絵にも、マカバが登場した。
ご本人もそれがマカバであることを私に伝えてくださったから、間違いない。
その根拠は、上記サイトにあるイラストと解説にすべて集約されているため、以下に引用させていただく。

The Merkabah is a UFO.

50×8mm

2012/09/16

プラチナルチル(ブルッカイト)


ブルッカイト入り水晶
Quartz with Brookite
Kharan Mountains, Baluchistan, Pakistan



パキスタン・カハラン産出の有名な水晶。
希少石ブルッカイトを伴って発見されるこの輝かしい標本は、世界中でその価値を認められ、高い評価を得ている。
日本では特にブルッカイトのインクルージョンに価値が置かれている。
レアストーンブレスの定番商品としてご存知の方も多いはず。
プラチナルチル、ブルッカイトルチル、またプラチナクォーツとも呼ばれ、高額で取引されているという。
水晶内部に広がるブルッカイトのシルバーの強い輝きがプラチナを思わせるため、誰が呼んだかプラチナの愛称で定着した。
ブルッカイトは、厳密にはルチルとは異なる鉱物なのだが、両者には連続性がある。
この標本においても、ブルッカイト及びルチルの針状インクルージョンが同時に認められる。

ブルッカイトはルチル、アナテースとともに重要な酸化チタン鉱物に数えられ、幅広い需要がある。
いずれも関連性が認められ、しばしば共生して発見される。
現地からはブルッカイトだけでなく、ルチル、アナテースの産出もある。
ブルッカイトの和名は板チタン石(そのまんまですね)とされるが、もはやプラチナルチルに変更になったかのような勢い。
残念なことに、プラチナは入っていない。
初期には水晶にプラチナが入っているものと思い、買い求めた人々も多かった。
プラチナルチルは和名であり、愛称である。
海外で使うと誤解を招くおそれがあるので要注意。
また、シルバーの針のみえる水晶のすべてがブルッカイト入りであるとは限らない(例:希少石アンカンガイトを内包する水晶のルース)。

ルチルクォーツやトルマリン入り水晶を「プラチナルチル」としているケースが目立つ。
ルチルクォーツのブレスを、プラチナルチルとして高額で購入された方も少なくないようだ。
写真の標本のように、ルチルとブルッカイトの両方が入っている場合は差し支えないと考える。
しかし、ブルッカイト入り水晶に太いゴールドの針が見えるとは聞かない。
鑑別書は肝心の鉱物名が隠れていて、見えない。
以下に参考資料を引用させていただく。

ブルッカイトではなくルチル入りのおそれがあるケース:
例1)http://store.shopping.yahoo.co.jp/ashiya-rutile/13mm24rt-0206-54-kyo.html
例2)http://store.shopping.yahoo.co.jp/luz/0241pur54.html

私には、インクルージョンを外観から判断できるほどの知識や経験はない。
ただ、プラチナルチルはシルバーグレーのブルッカイトの極細の針状インクルージョンを指して使われていた言葉だった。
写真の原石についても、インクルージョンとしてはルチルの割合が高いとみられる。
しかしながら有り難いことに、堂々たるブルッカイトが共生している(ピンボケしたので写真を二枚に分けました。後日撮り直します!)。
ブルッカイトの大きな板状原石(→本文下の写真及び結晶先端の拡大写真)が水晶の隙間に確認できる。
ワインレッドを帯びた強い光沢を伴うシャープな結晶は、まさに世界中の収集家を魅了し続けるパキスタン産ブルッカイトの醍醐味。
この産地からのブルッカイト、またアナテースは欧米では異常とも言える人気ぶり。
水晶と共生したブルッカイトの標本は、ダメージがない場合、概ね100ドルを超える貴重品となる。

いっぽう、クリスタルヒーリングにおいては、高次のチャクラを活性化させ、人々を高みに導くクリスタルとして、アゼツライトやフェナカイトに並ぶ最も重要なヒーリングストーンのひとつに数えられている。
このような希少石が分野を超えて愛されたのは、パキスタンから数多くのブルッカイトが届けられたからに他ならない。
欧米を経由するととんでもない金額になってしまうブルッカイト。
私たちがそうした希少石を良心価格で入手できるのは、日本に活躍する多くのパキスタン人ディーラーのおかげであることを忘れてはならない。

金、銀、銅のグラデーションに彩られたインクルージョン。
流れるような繊細な糸が輝くさまは、誰も入ることの無い秘境で見た奇跡の光のような、純粋な感動を与えてくれる。
なお、この産地の水晶には、アンハイドライト(エンジェライト)のチューブ・インクルージョンが入ることがあるらしい。
よく見ると、空洞のような針もみえるので、もし原石をお持ちの方がおられたら、お宝チェックをしていただきたい。
見どころは満載である。

プラチナルチルはあらゆる奇跡と富をもたらすパワーストーンとされている。
何十万もするプラチナルチルのブレスレット。
富がもたらされるならば何としてでも買わねばならぬ。
しかしながら既に、プラチナルチルのブレスにキラキラとレインボーが輝き始めた方は多いことだろう。
そのレインボーは、次のプラチナルチル・ブレスへの買い替え時を意味している。




45×37×25mm  30.48g

2012/09/14

ウィッチズフィンガークォーツ


ウィッチズフィンガークォーツ
Witches Finger Quartz
Kitwe, Copperbelt Province, Zambia



ルチル、マイカ(雲母)、ヘマタイトなどを含む珍しい水晶。
時に赤いヘマタイトに覆われていることもある。
本来は細長いポイント状で産出したものを指すが、こちらは塊状の原石を磨いたタンブル。
このウィッチズフィンガークォーツ、欧米ではヒーリングストーンとして安定した人気がある。
アフリカのザンビアから産出するというのも面白い。
ただ、日本での人気はいまひとつ。

ウィッチズフィンガークォーツを直訳すると、魔女の指の水晶。
魔女の指というと、鋭く伸びた爪がギラリと光る、それはそれは不気味なイメージ。
魔女、特に年老いた魔女は、必ずと言っていいほど悪役として登場する。
クリスタルヒーリングの盛んな英米では、魔女はさほど恐ろしい存在ではないようである。
世界は広い。
ある時、ドイツ人女性に「アナタは魔女?」と真顔で聞かれたことがある。
ドイツは確か、魔女狩りが最も盛んだった国。
生粋の日本人ゆえ、いまだその真意についてはわからない。

ウィッチズフィンガークォーツのポイントは、いかにも指、である。
それも、ゴツゴツした老婆の白い指を想起させる。
抵抗を覚える人も多いだろうからと、タンブルを中心に揃えた。
「魔女の指」を「魔法の指」と言い換えるなど、試行錯誤してもみた。
しかしながら現在も、私の中のレアストーンリストに残ってしまっている。

世界を放浪していた頃、たまたま東京のゲストハウスで働くことになった。
新店長の名前は「魔女」と定められた。
最終学歴は魔法学校ということになっていた。
どういういきさつだったか忘れたが、勝手にそうなっていた。
"魔女的な人" として扱われるのは今に始まったことではない(子供の頃は宇宙人だったが、成長に伴い魔女になったような気がする)。
私が知らぬ間に人々を脅えさせているのではないかと悩んだ。
或いは、どこか浮いているだろう、と。
この石を大切にしているのは、ウィッチズフィンガークォーツとの出会いがきっかけで、魔女のイメージが変わったからだ。

ウィッチズフィンガークォーツには、二面性があるといわれている。
煽るかのような強力なエネルギーを引き出す一方、持ち主に深い安らぎへと導くという。
また、波瀾万丈な運命に苦しむひとを癒し、自らの生まれ持った使命を悟らせる力もあるそうだ。
これから歩んでいく、まだ見ぬ道を照らすというこの石が、どうして怖いだろう。
そう、日本にあっても、魔女は必ずしも悪い意味とは限らないのだ。

何事も、頼りすぎはよくない。
だけど、石に少なからず関心を持つあなたなら、パワーストーンの魔法に憧れたことだって、一度はあるはず。
私も同じ。
理由はなんだっていい。
教科書に載っているパワーストーンの意味とは、少し違っていたとしても。


34×28×12mm  15.21g

2012/09/12

マグネサイト


マグネサイト Magnesite
Serra das Éguas, Brumado, Bahia, Brazil



カルサイト?フローライト?
いいえ。ハウライト 別名 マグネサイトです。
イミテーションの素材としてきらわれたハウライト(→詳細は本物のハウライトに記)の、さらなる偽物として知名度を上げ続けるマグネサイトに、鉱物標本として高い評価が与えられることが稀にある。
写真はブラジル名物のマグネサイト・クラスター。
この産地からの透明結晶は、世界で最も美しいとされ、各方面での評価は高い。
宝石にカットされることもある。

通常、マグネサイトは白く粗い塊状で産出する。
色合いや質感、網目のような模様はハウライトに非常によく似ている。
そのため、両者はしばしば混同されるが、全く別の鉱物である。
マグネサイトは重要なマグネシウム資源に位置づけられ、その用途は幅広い。
世界各地から産出があり、現在も膨大なマグネサイトが地中に眠っているといわれている。

この立派なクラスターは4年ほど前、お世話になっている社長から譲っていただいたもの。
マグネサイトの安価なイメージからは想像も出来ない高級品である。
この美しいキューブ状のマグネサイトがヒーリングストーンとして注目を集めたのも、ちょうどその頃。
ひとつひとつの結晶から放たれるやわらかな光は高い霊性を宿し、特に瞑想に向いているとされ、高値で取引された。
瞑想を趣味とする私が殊更大事にしているレアストーンのひとつなのだけれど、既に過去のものとなってしまった印象を受ける。

マグネサイト(ハウライト)若しくはハウライト(マグネサイト)というややこしい表記が常識となった今、かつての輝きは忘れられつつあるようだ。
ウバイト・トルマリンと共生した小さな結晶は僅かに流通があるようだが、もはや廉価な白い研磨品が主流となっている。
パワーストーンとしてのマグネサイトの位置づけは、危ういものとなっている。
ハウライトだと思っている人もいらっしゃるかもしれない。
マグネサイトの本質は、"厄介な偽物" だけではなかったはず。
やわらかな光に満ちたこの至極の輝きこそ、マグネサイトの醍醐味であり、本来評価の対象となるべき姿であると私は考えている。




60×43×38mm  85.92g

2012/09/09

【速報】うさこふがアメリカのヒーラーに?

!被害拡大中!
その石も偽物です。




西暦2012年9月9日午前11時。
パワーストーンにまつわる極めて深刻な犯行が明らかになりました。
今後、さらなる被害が拡大することが懸念されます。
大手の業者さまも被害に遭われていることをご存知ありません。

ここで発表し、注意を喚起するのは危険です。
しかしながらうさこふはここで無実を主張しておく必要があります。
私は知らぬ間にこの事件に巻き込まれていたのです。

事件の発端となったのは、過去に私が気に入って、夢と希望と想像力を駆使してその魅力に言及した、グランドキャニオンワンダーストーンという美しい岩石です。

グランドキャニオンワンダーストーン
http://usakoff.blogspot.com/2012/03/blog-post_10.html


次に、被害に遭われた業者様の具体例を挙げながら考察していきましょう。




暖色系の石のもつ温かみには、うさこふが勝手に魅力を感じ、素直に書き留めたものです。
このビーズにはブルーやグリーンなど、暖色系以外の色合いが含まれていますので、説明とは一致しません。
また、実はアメリカのヒーラーの間では、ほとんど知られていないのです。
卸元からの資料をご参考にされたとのこと、詳細をお伝えしたところ衝撃を受けておられたご様子でした。
アリゾナといえば、ウラン鉱物も有名です。
ヒロシマ・ナガサキに投下された原爆の原産地であり、パワースポットであることだけを強調するのは危険といえるでしょう。





この石のもつ温かみの虜になったのはうさこふであり、アメリカのヒーラーではありません。
巧妙に言い換えられていたので、デジャヴを疑いました。
自分のブログを読み返してようやく思い出しました。
此方の小売業者様も、悪徳業者が送りつけた資料をご参考にされたとのこと、当ブログはご存知ありません。


グランドキャニオンワンダーストーンの流通は、少なくとも三年以上前からあったとみられます。

ジャスパーやライオライトの模様を楽しむ習慣のない日本では、ヒーリングストーンとして特別にパワーを与える必要がありました。
そのため、グランドキャニオンの名前とイメージのみが一人歩きし、謎の存在と成り果てていました。
本国アメリカでは評価はジャスパーの一種にとどまり、価値はあってないようなものでした。

ところが、全く異なる岩石を製品化し、金儲けを目論む卸業者が出現しました!

商品解説書に、想像にすぎないはずの私のブログの記述を転写し、あちこちの業者様に卸してまわったとみられています。
偶然の一致でない根拠としては、私がグランドキャニオンワンダーストーンを知ったとき、国内でこの石を取り上げている商業サイトさまは皆無、個人的なブログも2件のみ、具体的な言及はなされていませんでした。
うさこふはこの石の魅力をなんとか皆さまにご紹介したいと考え、独自の考察と想像によって文章を創り上げ、ブログにおいて愛情をアピールしました。
つまり、出典はうさこふの脳内であり、ワンダーストーンという築材の資料を参照しただけのアバウトな情報で、販売に用いるには不適切な内容といえます。

また、実際に販売されている岩石は、私の知っているグランドキャニオンワンダーストーンとは異なるものです。

というのも、商品と解説に矛盾が数多く認められるのです。
特に、私の文章と重複している箇所については、他所からの引用であることが読み取れてしまう不可解な内容となっています。
手持ちのグランドキャニオンワンダーストーン、また同等の意味(パワー)を有するといえるグランドキャニオンジャスパー(写真は下)は、いずれも暖色系の色合いのみで構成されていました。

色彩心理学をかじった人ならもうお分かりかと思います。
暖色系とは、黄色~オレンジ~赤~ブラウンの色合いを指し、見る人にあたたかさ、親しみや活力を与えるといわれます。
うさこふはこの暖色系のみの模様に注目したのです。


写真にあるビーズには、寒色系のブルーやグレー、また暖色系・寒色系に分類できない中性色のグリーン、黄緑が入っています。
寒色系は見る人に正確さ、涼しさを感じさせ、中性色は見る人に公平さ、安全性などを訴えかけます。
この原理を使って人の心理を操作することは、意外に多いんです。
それはともかく写真のビーズから、"暖色系" や "あたたかみ" というキーワードが出てくるのはきわめて不自然ですよね。
異なる種類の石について解説していることは、明らかです。
おそらく商品解説を見てもピンと来ない人が大半だったことでしょう。

いっぽう、グランドキャニオン付近から産出したライオライト、ジャスパーにこの種の模様をもつ岩石があるかどうかについて、検討する必要があります。



Think, Care, Believe
http://thinkcarebelieve.blogspot.com/2012/02/more-rock-cutting-therapy-in-quartzsite.html

加工前のグランドキャニオンワンダーストーンの原石を紹介されているサイトがあります(写真はリンクより)。見事ですね。

少なくとも、グランドキャニオンワンダーストーンの名前を与えられた石に、上記以外の模様、色合いは見たことがありません。
下の写真は、グランドキャニオンジャスパーと呼ばれる石で、同様にグランドキャニオン付近から産出するそうです。
模様は似ていますが、こちらも暖色系の色合いで構成されており、日本で流通しているものとは違うようです。

グランドキャニオンジャスパー


このビーズのダークサイドを垣間見ることのできる、重要な情報をいただいています。
初出は今年の6月頃。
ビーズに加工され、日本市場に入ってきたものとみられています。
加工は中国及びインド、ターゲットはおそらく日本のみです。
欧米の鉱物が、専ら日本向けに加工にまわされるケースというのは滅多になかったはずです。
似たようなことはありましたね。
昨年、日本だけをターゲットにした正体不明のパワーストーンが市場を圧倒したことがあったんです。
そうです、パキスタン産ブルームーンクォーツの謎と非常によく似ています。
中国やインド、タイなどの闇の住人どもが複雑に絡んだあの事件が、再び起きてしまったのだとしたら…

おおっと!これ以上は危険です!

いずれの業者様からもサンプルの提供はかないませんでしたので、現在も確認はとれていませんが、鑑定で産地が明らかにならないことを鑑みると、アリゾナ産でない可能性が極めて濃厚です。

以上の考察から、現在流通しているグランドキャニオンワンダーストーンのビーズ及びブレスとなったのは、グランドキャニオンの名を語るパキスタンなど欧米以外から産出した岩石と大胆に推測することができます。

※天然石をこよなく愛するL様からの資料を参照させていただきました。貴重な情報のご提供をありがとうございます!

鉱物資源に恵まれた中国では、中国から産出した類似の石を人気のパワーストーンと関連付け、産地を明らかにせず日本に流すことがあります。
この件に関しては、残念ながら多くの事例を確認しています。
また、最近ではインド加工も増えています。

もはや謎の団体による計画的な犯行が疑われ、事態は絶望的に深刻です。

うさこふとしましては、この度の事件を重く受け止め、今回被害に遭われた小売業者様及びお客様への返金、また私の夢と希望を無料でお金に替えられた代償として、利益の一部を還元していただくかまえでした。
しかしながら調査の結果、組織的犯罪や外国人グループの暗躍が予想されましたため、個人での追及は打ち切ることとします。
大手業者様の姿勢や知識不足がこのたびの不幸を招いたこと、不確かな卸元からの仕入れが認められたことは、非常に残念です。
被害例として紹介した業者様に問い合わせた上での問題提起でしたが、私の記した原文の存在がわかった今も、業者様は私の解説とは異なる商品の販売を続けています。
不確かなパワーストーンの購入は、世界的犯罪組織やブラックマーケットへの拡大につながります。
こうした組織の撲滅は、事実上不可能です。
返品をお薦めしたいところですが、どうしても必要である場合、霊的代償を考慮のうえでのご使用を検討ください。


パワーストーンが夢と希望で出来ているとは限りません。
効果にとらわれず、その石の価値を見極めましょう。
被害に遭われた業者様には、謹んで哀悼の意を表明したいと思います。


買わないことが
犯罪組織の撲滅につながります!


2012/09/08

青水晶(ブラジル産)


青水晶 Blue Quartz
Jenipapo, Itinga, Minas Gerais, Brazil



先日、鉱物のインクルージョンに対する自分の認識の甘さを痛感した。
そこで、前々から気になっていた、インクルージョンの不思議に迫ってみたい。

写真は、過去にブラジルから産出した青水晶、ブルークォーツ。
この青は水晶に内包されたインディゴライト・トルマリンに由来するとされ、インディゴライト・イン・クォーツとして絶大な人気を誇った。
俗にブルールチルと呼ばれる青い針の満載された水晶。
これも同様の原理に因るとされている(ルチルの詳細と意味、効果はこちらにございます!)。

私が鉱物に興味を持った頃、青水晶・ブルークォーツといえば専らこれだった。
スペイン・マラガからの青水晶の流通もまたあったが、多くの人々は「ブルークォーツ=インディゴライト」と受け止めていた。
私が初めて手にした青水晶も、2005年頃流通したこのブラジル産になる。

水晶のインクルージョンというのは非常に難しい。
特に青水晶の場合、発色の原因となる鉱物は多岐に渡り、すべてのインクルージョンを特定することは不可能に近い。
例としては、トルマリンのほか、リーベカイト、クロシドライト、アクチノライト、デュモルチェライト、ラズライト、アエリナイト、シャッタカイト、プーランジェ鉱、パパゴアイト、ギラライトなど。
私自身、水晶や水晶の内包物については勉強不足であり、物足りなさを感じている。

写真にあるのは、過去のブルークォーツ。
当時はインディゴライト・イン・クォーツ、ブルーファントムクォーツなどと呼ばれていた。
出始めの頃は細長いポイント状に結晶し、写真のようにショール(ブラックトルマリン)の柱状結晶と共生するのが常であった。
二つのポイントが交差し、さらにショールを伴うという点で、現在主流となっている青水晶とは異なるものと考える。
内包されたインディゴライトは、ここでは針状というよりむしろ毛状というべきか。
非常に繊細なトルマリンがブルーの濃淡となって、幻想的な光景を創り出している(本文下の写真)。

インディゴライト・イン・クォーツに対しては、かねてから疑問があった。
インディゴライトは純粋な青ではない。
ブルーとグリーンとの絶妙なバランスが求められる。
仮にインディゴライト・イン・クォーツが存在するとすれば、文字通りインディゴカラーになるのではあるまいか。
写真の標本はブルーグレーである。

内包物というのは本当に難しい。
一般に、外観からの特定は困難である。
インクルージョンが何であるかは、同じ鉱脈から採れた標本を参考に推測することが多いが、複数の鉱物のインクルージョンによる発色であることも少なくない。
この難解さゆえに、収集家を魅了してやまないともいえるだろう。
さらに、日本においては、インクルージョンのみられる透明水晶の人気は極めて高い。
産地や内包物に関する情報の混乱が、人々を困惑させるのは想像に難くない。
水晶の中身を特定しておくことは、国内においては重要である。

反省を込め、ブラジル産青水晶のインクルージョンは、本当にインディゴライトなのか、考察してみたい。
まず、大雑把に説明すると、インディゴライトは以下のように位置づけられる。

インディゴライト<ブルートルマリン<エルバイト<トルマリン

定義上、インディゴライトはブルートルマリンの一種ということになる。
また、ブルートルマリンとインディゴライトには連続性がある。
全米宝石学会(GIA)では混乱を防ぐために、ブルートルマリンとの表記を推奨しているそうだ。
つまり一般には、インディゴライトの色合いは純粋な青ではなく、グリーンとの絶妙なバランスが求められる。
"ブルーグリーンルチル" にしか見えないブレスも実在するいっぽうで、純粋なブルーの針が確認できることがあるのもまた、事実である。

過去に流通したブルークォーツの特徴は、灰青色の濃淡のみならず、美しいショールの結晶を伴うこと。
以前インディゴライトの原石を紹介した(→記事はこちら)。
写真で確認できるように、エルバイト・トルマリンにはブルー、グリーン、イエロー、またピンクがある。
ブラックトルマリンとブルートルマリンは異なるグループに属する。
ショールも水晶のインクルージョンとして珍しくはないのだから、二色の針が認められてもおかしくないはずなのだが、この標本に関しては、青と黒が混在している様子はない。
いっぽう、柱状に結晶したショールは鉱物標本としても価値があり、キロ売りで販売中の岩のようなブラックトルマリンとは別格とされている。

さて、インディゴライト・イン・クォーツに関して海外サイトを検索したところ、日本のサイト以外出てこない。
海外では、ブラジルの青水晶は、オレナイト(オーレン電気石)のインクルージョンに因るものと説明されている(→参考写真)。
なんじゃそりゃ、知らなかった。
オレナイトとは、ピンクまたはブルーを示す珍しいトルマリンで、エルバイトやショールとは異なるグループに属するようである。
希少石オレナイトを華麗にフューチャーし、その価値をアピールしているところもある。
なお、同じブラジル産水晶に、ブルーターラクォーツがある。
こちらもリーベカイト及びオレナイト由来の発色といわれているが、リーベカイトのインクルージョンとするのが妥当であろう。
パキスタンのザギマウンテンからもリーベカイト由来の青水晶が発見されている。

オレナイトは産出そのものが少ないから、まだ確定というわけではない。
気になるのは、過去のブルークォーツと共生するブラックトルマリンが、直射日光下で赤紫に見えること(→参考写真)。
他所からはインディゴライトとショールの針が同時に入った水晶も発見されているようである。
現時点ではブルートルマリンとするのが無難であると考えている。
水晶の内包物というのは、難しい。




35×24×22mm  14.11g

2012/09/06

インディゴチャイルドクォーツ


インディゴチャイルドクォーツ
Indigo Child Quartz
Ambatondrazaka, Toamasina Province, Madagascar



マダガスカル産出、セプタークォーツ(王冠若しくは松茸水晶)、テッシンハビットクォーツ(先細り水晶)、ベータクォーツ(高温石英)といった特異な形状を示すアメジスト。
内部にヘマタイト、レピドクロサイト、カコクセナイトを含むことから、マダガスカル産スーパーセブン若しくはスーパーエイトなどと呼ばれた過去がある。
現在はインディゴチャイルドクォーツと呼ぶのが一般的。
文字通り、インディゴチルドレンと呼ばれる人々のためのクリスタルということである。

インディゴチルドレンという言葉に聞き覚えのある方は多いかと思う。
ここ4,5年で一気に知名度を上げたのは、発達障害の子どもを抱え自己嫌悪に陥る母親たちに希望を与えるためでもあった。
おそらく、ADHDやアスペルガー症候群といった社会適応の困難な子どもたちに、特別な使命を見出し、生きづらさを回避させる動きとみている。
しかしそれが飛躍した結果、自立に向けたトレーニングを行わず放置してしまうケースもある。

発達障害が必ずしも天才を意味するわけではない。
彼らの多くは支援学校に進学し、自立を目指しトレーニングを受ける。
IQは75以上と定義されている。
つまり、知的障害とのボーダーであるIQ75の子どもと、IQ130の子どもの発達障害では、その後の成長過程において大きな差異が生じる。
発達障害者に天才が現れる確率は健常者のそれと変わらないということである。
多くの発達障害者が才能を開花させることなく、就労すらできず、将来的に生活保護という受け皿しかないという現状がそれを示している。

自閉症者が天才であるという誤解を受けた原因のひとつに、自閉症にごく稀に現れるサヴァン症候群の影響があったのではないかと考えている。
天才ばかりとは考えにくい。
なぜなら私自身、自閉症及びアスペルガー症候群の診断を受けているからである。
自閉症の診断を知った保護者は、私に暴力を振るい続けた。
彼らが天才であり、特別な使命を持って生まれたという希望は、こうした子どもたちへの虐待を防ぎ、母親の落胆を自信に変えるというメリットがある。

さて、インディゴチルドレンの話に戻ろう。
世界には、インディゴチルドレン及びクリスタルチルドレン、レインボーチルドレンなる人々がいるらしい。
地球を変えるために君臨したという彼らの詳細を探ってみよう。


インディゴ・クリスタルチルドレンの役目



クリスタルチルドレンであるという女性のインタビューを関連動画から視聴し、うちゅうのおともだち・インスピレーションを得るに至った。
社会への不適合、強すぎる感受性、またオカルトに傾倒している点を考慮すると、スキゾタイパル(※注)の可能性も考えられる。
ちなみにうさこふはスキゾタイパルとアスペルガー症候群の併発であるが、インディゴやクリスタルの可能性は極めて低い。
詳細は後に記す。

※注)スキゾタイパル

十種類ある人格障害のうちのひとつ。統合失調型人格障害と呼ばれることもあるが、統合失調症とは関係ない。思考や行動、外観が奇妙であり、神秘的な現象に興味を示す。いっぽうで大多数に反発する傾向及び自閉的傾向を有する。宇宙人と間違えられやすい。スキゾタイパルであったと推測されているのはC.ユング、夏目漱石、ピカソ、鳩山由紀夫など。学会ではアインシュタインの名も挙がっているようだが、私は疑問視している。アスペルガー症候群への転向が可能。

人格障害と聞いて境界性人格障害(ボーダー)を連想する方が多いようであるが、異なる障害である。人格障害はA群・B群・C群に分類され、大多数を占めるのが『不安定な対人関係や衝動的な行動』を特徴とする人格障害B群である。発達障害になりきる境界性人格障害自己愛性人格障害、また発達障害への転向可能な反社会性人格障害など。

A群は変わっているため、B群は情緒不安定なため、C群は強い不安により、いずれも社会適応が困難とされている。


ある先生から伺ったのだが、インディゴ及びクリスタルチルドレンと、ADHDやアスペルガー症候群とは全く関係ないそうである。
かつては "特別な子ども" の定義に、発達障害が前提としてあった。
インディゴやクリスタルと称する人物の大半が、結婚や出産、子育てすら可能であり、社会生活や日常生活に支障なく、大多数の意見に違和感なく馴染み、強調性を発揮することができる。
特別な子どもたちにも種類がある。
インディゴやクリスタルの大多数は、障害者というハンディを背負わないマジョリティであり、むしろ強者という印象である。

発達障害の子どもを持つ親御さんには気の毒だが、彼らはインディゴチルドレン、クリスタルチルドレンではない。
おそらく、純粋な弱者である。
過度の期待はご本人を苦しめることになりかねない。
発達障害の人間が極めて生きづらいことは、私が身をもって知っている。
コミュニケーション不足に由来する対人恐怖や自己愛ではないことは明らか。
なお、インディゴチャイルドクォーツは、インディゴチルドレンが日本で注目を集める以前から流通があった。
かつてロットで入ってきたものが大量にあるので、インディゴの方に是非お譲りしたい。
現在は流通が減り、安価での入手は難しいとみられる。

なお、以下のブログでは可愛いお子様に対し、現実的な考察を行っている勇気ある父上の姿を見ることができる。

参考:私の子供は地球を救う「クリスタルチルドレン」ではなかったらしい
http://secret.de-blog.jp/secret/2009/06/post_273a.html


22×16×14mm(最大) 計6.46g


2012/08/30

ブラックマトリックスオパール


ホンデュラス マトリックス オパール
Honduran Matrix Opal
Erandique Region, Honduras



このところ頻繁にみかける石がある。
ホンデュラス・マトリックスオパール(ブラックマトリックスオパール)という、なんとも強烈な名前がついている。
写真はそのカット品。
黒い地に虹色の輝きが炎のように浮かぶさまは、世界的に一定の傾向を示すオパールの中にあって、一見珍しく思える。

オパールは遊色(多彩な輝きが浮かんでみえる様子)の有無によって二つに分類される。
遊色のみられるオパールを一般にプレシャスオパール、遊色のないオパールをコモンオパールと呼んでいる。
コモンオパールの代表的な例としては、ペルーのピンクオパールやオレゴンのブルーオパールなど。
これらがパワーストーンとして親しまれているのは、原価が安いためである。
宝石としては専ら遊色のみられるオパールが好まれ、中でも赤やオレンジの遊色が浮かぶものは最も価値が高いとされている。
これはどうも赤が入っている…から高級品なのかもしれない。
だが実際のところ、非常に安かった。
先日参考までに購入した。

ホンデュラスの名は、南米にあるホンジュラス共和国(正式にはホンジュラスの表記が正しいらしい)からこのオパールが産出することに由来するという。
全く聞いたことがない国である。
実際、アフリカと混同している人も見受けられる。
調べてみたが南米のどこかにあるらしいこと、「バナナ共和国」と揶揄されていることくらいしかわからない。
折角、鉱物で世界一周しているのに、こんなレアな国を素通りしてしまうとは残念である。
国名が付くことで誤解を受けそうな国としては、他にリヒテンシュタインが挙げられよう。
リヒテンシュタインからの若い観光客が、たまたま当時お手伝いしていたお店に寄ってくださったことがある。
その時はいったい何を意味するのか判らず、申し訳ないことをしてしまった(バンドをやっている人かと思った。たぶんノイバウテンとごっちゃになっている)。
特に違和感のない普遍的なイケメンであった。
世界は広い。

さて、ホンジュラスに戻ろう。
どうやらこのホンデュラス・マトリックスオパール、加工して作られるものらしい。
もともとブラウンであった母岩を、人工的に黒い色合いに変え、樹脂加工をもって輝きを安定させているようである。
オパールをアクセサリーにする場合、樹脂加工で強度を高める必要があるから、とりたてて騒ぐ必要はない。
ホンデュラス・マトリックス・オパールの真相に関しては、世界中で激しい論争が展開されている。
地の色をブラウンからブラックに改良していることが問題ということのようだ。
砂糖を加えて加熱する、とある。
加工前のマトリックスオパールを見た感じ、特に黒くする必要性は感じない。
ホンジュラスの人々が何ゆえ砂糖にこだわるのかについては、よくわからない。

オパールというと、高価な宝石というイメージがある。
実際に価値あるものは非常に高額になる。
大きさにもよるが、ホンデュラス・マトリックスオパールの相場は、遊色のないコモンオパールと同程度。
原価を考慮するとビーズになる可能性もあるとみて調べたら、既にビーズになって流通していた。
国内ではブラックマトリックスオパールと呼ばれており、気づかなかった(本来はオーストラリア産)。
どうも大量に出回っている。
ブラックマトリックスオパールについては、未加工の状態である旨明記され、紹介しているところが圧倒的。
天然オパールという鑑別を出している鑑定機関もある。
ここは確かギベオン隕石においても不可解な鑑定結果が出ていたのだが、大丈夫なんだろうか。

参考:鑑別書、鑑定書、保証書の違いとオパールへの適用について
http://www.gemstory.com/howtoPart2.html

つまり、鑑別書からは、石の名前(と、処理の有無を書くべきであり、パワーストーンに関しては書かなくてもよいとは聞かない。鑑定機関そのものが詐欺行為に及んでいる可能性が高い)しかわからない。
万が一、ダイヤモンドにしか付かないはずの鑑定書が付いてきた場合は、深刻な犯罪に巻き込まれたとみていいだろう。
鑑定書や鑑別書は「安心」の基準にはなり得ないことを忘れないでほしい。
本来は、いずれも宝石を第三者に託すさい(質入や相続など)に必要となるものである。

ブラックマトリックスオパールについては "処理を前提とする天然石" としての購入を検討されるほうがよさそう。
最も価値の高いとされるブラックオパールと混同し、とんでもない高額で販売しているケースもある。
オパールとパワーストーンのあやうい関係については、以下の資料から読み取れるので、参照していただきたい。
砂糖じゃ相手にされない。
宝石の価値というのは甘くない。


参考:オパールの価値
http://gemopal.info/free_ohanashi/free.html

参考:オーストラリアのオパールマスターによる、動画で楽しむブラックオパールの世界




やはり赤が良いようだがブルーにピンクがお好きな様子


18×13mm  7.39ct

2012/08/27

ゼノタイム(ザギマウンテン産)


ゼノタイム Xenotime
Zagi Mountain, Mulla Ghori, Khyber Agency, FATA, Pakistan



イットリウムを含む希少石、ゼノタイム。
アプリコットのような優しい色合いが印象的だが、立派な放射性鉱物である。
ゼノタイムは一般に、不透明なダークブラウンの結晶となって産出する。
パキスタンから近年発見されたオレンジやレッドに輝くゼノタイムは、世界中の愛好家たちを熱狂させた。

写真はゼノタイムをラベルに載せて撮影した。
出処は米国、表記はアフガニスタン。
当初、この標本はアフガニスタン産として流通したらしいのだ。
再調査の結果、パキスタンのザギマウンテン産であることが判明、業者側で産地を訂正したという。
セイクリッドシャーマン、ザギマウンテンクォーツで有名になった聖なる山、ザギマウンテンからは、多くの資源、魅力的な希少石の数々が発見されている。
中でも、この産地からのゼノタイムの美しさには定評がある。
アフガンの鉱物が、諸般の事情からパキスタン産として流通していることを不審に思われている方もおられることと思う(→詳細はパライバじゃなかったパライバトルマリンに記、主にアメリカ)。

パキスタンの鉱物の産地が曖昧にされることは多い。
理由のひとつは、掘る人と売る人とが同じではないこと。
隣接した国々からパキスタンに運ばれてきた鉱物を、現地のディーラーが扱うこともある。
特にアフガニスタンの鉱物の場合、同時多発テロの恐怖が売り上げに影響するのを危惧し、パキスタン産と言い換えることも考え得る。
また、複雑な事情のある地域では、実際に採掘に入れる人を限定し、詳細を伏せることがあるとみている。
売り手にもどこから来た石なのかわからないことがある。
それを責めるわけにはいかない。
この標本の産地が訂正された理由についても、想像することは可能である。
つまり、産地には厳しいこだわりを示す欧米諸国の収集家でさえ、ザギマウンテンを特定できたのはごく最近のことだったのだ。
十年以上経った現在も、世界中がザギの謎に当惑している状態ということになる。
産地で何が起きているかわからないといえば、中国も同じ。
ただ、中国であれば専門家が入ることもある。
調査の結果、素晴らしい鉱物の存在が認められ、詳細な産地や産状が明らかになることも多い。
余程の事情がない限り。

パキスタン北部、アフガン国境に位置するザギマウンテン。
レアアースの宝庫として近年注目を浴びる土地である。
ゼノタイム以外にも、稀にみる品質を誇る稀産鉱物が多く発見され、研究者や収集家たちを驚かせた。
宝の山なのは明らか。
だが、国外の専門家が現地入りすることは、固く禁じられているそうだ。
鉱物研究の進んだ国の専門家にしかわからないことはある。
いまだ存在の明らかにされていない希少石も少なくないとみられる。
おそらく、誰もがザギに入りたくてたまらないはずだ。

もし、どうしてもザギへ入るつもりなら、少し荒業を使う必要がある。
あのテロリストの息の根を止めたカラシニコフくらいは用意したほうがいい。
宝の山が意味するところ、それは戦争である。
我々が世界中の美しい鉱物を手に出来るのは、日本が平和だからである。
我が国の資源はほぼ枯渇している。
それがいかに幸運なことか、戦地を旅した人々は知っている。
世界には、いまだ眠ったままになっている資源は数知れず、それらが必ずしも平和的な目的で採掘されるとは限らない。
戦争が人を狂わせるのは、今に始まったことではない。

鉱物資源は、戦争の資金源として重要な役目を担う。
鉱物だけとは限らない。
外国人に見られてはならないことがザギで行われている…
そう考えることも、可能だ。
レアアースはヘロインに並ぶ利益をもたらす、とは面妖な。
パキスタン全土が危険なわけではない。
ただし、ザギのあるパキスタン・アフガン国境を目指すことは、現実的とは言えない。

参考)アフガンの鉱物資源に関する記事だが、パキスタン国境付近の状況についても言及がある:
http://www.asyura2.com/10/warb4/msg/886.html

鉱物をこよなく愛する人々にとって、曖昧な産地は悩みの種となる。
情報が欠けていることによって、石の評価は下がってしまう。
コレクションの分類に頭を抱えるはめにもなる。
しかし、真実を追求したがために不幸な事件に巻き込まれ、命を落すことがあるのもまた、現実だ。
過酷な状況を耐え抜いて届けられたザギの鉱物に、何をみるかということだと思う。
この初初しいゼノタイムの伝えるもの、それは美しさや希少価値、神秘性だけだろうか。
世界には、平和を叫べない土地がある。





18×12×10mm  4.15g

2012/08/24

セルサイト


セルサイト/白鉛鉱
Cerussite
Tsumeb Mine, Tsumeb, Otjikoto Region, Namibia



太陽の下で七色に輝く光の結晶、セルサイト(白鉛鉱)。
アゼツライトもびっくりの堂々たるお姿である。
透明感あふれる見事な連晶で、ツメブ鉱山からの産出品とのこと。

ナミビアのツメブ鉱山は、世界を代表する鉱物の産地。
歴史的な標本を数多く産した。
ロシアのコラ半島、カナダのモンサンチレールに並ぶ稀産鉱物の宝庫として知られている。
ツメブ鉱山からの標本はいくつか手持ちがあるが、世界中の収集家が絶えず目を光らせているから、素人が入手できるような標本はしれている。
私自身、ツメブのセルサイトを手にしたのは、これが初めて。
まほろばというのは、このことをいうのだろう。

セルサイトは鉛を含む鉱物。
見た目は軽そうだが、持ち上げるとずっしり重い。
では頑丈なのかというとむしろ逆で、非常にもろく、意図せず崩れてしまうこともあるようだ。
硬度は3と、カルサイト程度ということだが、扱いの難しさはカルサイトの比ではない。
鉛のメタリックなイメージからは想像もつかない。
輸送中に壊れてしまうこともあるという。
その性質ゆえ、アクセサリーなどに用いることができず、専ら観賞用となる。
ビーズになることなどまず無いから、パワーストーンとしての知名度も低い。
そもそも「セルサイト」という名前自体、これといったインパクトがなく見逃しがち。

ツメブ鉱山からはスミソナイト、マラカイト、ミメタイト、モットラマイト、ダイオプテーズ、マンガンカルサイトなど250種類に及ぶ鉱物が発見された。
鉱山の名を冠したツメブ石に代表される、55種類の稀産鉱物はここツメブを原産とする。
ツメブ鉱山が閉山したのは15年ほど前。
水没し、消えてしまった。
産地からの標本の流通は減り、需要に供給が追いつかず、今後の高騰は避けられない。
セルサイトそのものは世界各地から産出があるが、その品質の差は明らか。
世界中の収集家に絶大な支持を得ていることにも納得がいく。

このセルサイトはツメブの魅力を伝える片鱗に過ぎない。
歴史的価値のある標本であれ何であれ、金の力で手に入れることはできる。
収集家の信念が問われるところであろう。




28×26×20mm  34.04g

2012/08/19

モリオン(ウクライナ産黒水晶)


黒水晶/モリオン
Quartz var. Morion
Volodarsk-Volynskii, Zhytomyr Oblast', Ukraine



昨年、2年ぶりに鉱物の世界へ戻って、違和感を感じたことが二つある。
一つは2年前には既に馴染みのあった石がまさに売り出し中であったこと。
もう一つは、市場価格が十万を越えることもあった天然黒水晶(モリオン)の相場が、一万円をきっていたことだ。
後者に関しては、衝撃であった。
産地は軒並み中国、東は山東省(朝鮮半島側)、西は四川省及びチベット自治区などから、モリオンが同時多発的に発見されている。
いずれもペグマタイトから産出したとみられるスタンダードな天然モリオン。
偽物ではない。

放射線の照射さえ行えば、すべての水晶が黒くなるわけではない。
特殊な条件を備えた水晶のうち、地中の放射線を長期間に渡って浴びる環境にあって、ごく稀に生成される。
大半はスモーキークォーツの段階で発見されている。
光さえ透さない漆黒のモリオンは、長い間、誰もが憧れる幻の石であった。
放射能を防ぐパワーストーンとしてお茶の間で話題になるなど、想像できようか。
短期間に相当量の産出があったとしか思えない。
それらは薄利多売ビジネスを目論む業者のもとへ渡り、ブレスレットに姿を変え量産されている。
中国がいかに広いとて、奇妙である。

かつては放射線処理によって人工的に黒く改変させた黒水晶/モリオンが中国で製造され、半ば暗黙の了解のもと市場に流通していた。
何も知らずに初めて手に取ったとき、気分が悪くなった。
私だけではない。
周囲の人々が皆、怖がるものだから、手放さざるを得なかった。
モリオンが放射能を利用して作れるものと知ったのは、ある方との出会いがきっかけ。
チェルノブイリ事故の影響で、ロシアから大量にモリオンが発見されている、と私に教えてくださった。
おそらく事実ではない。
しかし人間たるもの、よからぬ想像をしてしまう。
天然の放射線によって水晶が黒くなるのであれば、半人工的に出来た黒水晶も存在するのではないか。
放射能汚染の顕著な地域に的を絞って掘り当てたのではないか。
折りしも福島での原発事故直後。
被害に遭われた方々の心情を思うと、大きな声で言えるはずもなく、人々の不安を助長させる行為に及ぶのは憚られた。

結論からいうと、おそらく中国の核とモリオンは無関係。
というのも、最も信頼性の高いモリオンの産地・山東省は、北京にほど近い "安全" な地域にあたる。
チベット産や内モンゴル産については産出の確認が取れていない(→モンゴル近くの黒龍江省からチベットモリオンが出ている可能性あり。くわしくはこちら)。
最も放射能汚染が深刻な新疆ウイグル自治区からは、美しい透明水晶が発見されている。

中国政府の発表によると、1964年から1996年までの32年間、新疆ウイグル自治区において46回に及ぶ核実験が行われたという。
実際にはそれを上回る原水爆が使用されたおそれがあり、現在も多くの人々が苦しんでいるといわれている。
チベット自治区では、放射性廃棄物処理施設による汚染が問題になっているほか、複数の核兵器関連施設における事故の噂があり、詳細は明らかにされていない。
内モンゴルにおいても同様の問題が取り沙汰されている。
いずれも少数民族の居住地であり、首都・北京から遠く離れているのがその理由とのこと。

いっぽう、チェルノブイリ原発事故の影響で、ロシアからモリオンが発見されていたという説に対しても、信憑性は薄い。
旧ソビエトとロシアを混同しているのは明らか。
放射能による被害が最も大きかったのは、チェルノブイリのある現ウクライナ、隣接のベラルーシ。
ロシアでも深刻な被害が出ているとのこと(→チタニアダイヤに記)であったが、ロシアの特定の場所からモリオンが大量に見つかっているという事実はない。

その手がかりを探るべく捜していたウクライナ産モリオン。
先日ようやく見つけ出したのが写真の石である。
格安で出ていたので即決した。
真っ黒でずっしり重く、エレスチャル状に成長した文句なしのモリオン。
ペグマタイトの匂いがプンプンする。
底面中央には穴があり、内部が漆黒の結晶で満たされている(本文下の写真)。
ウクライナには、大自然の創り上げたモリオンが存在する。
チェルノブイリとモリオンの関連性については、噂に過ぎなかったものと信じたい。

このモリオンが発見された場所は、このブログを作るきっかけとなったヘリオドールに同じ。
チェルノブイリから車で2時間半かかる距離だというから、関連性は無いと考えるのが妥当であろう。
ウクライナにおいて、1986年頃を境に、放射線処理が必要なはずの幻の宝石がいくつか発見され数年後に枯渇していること、また人工照射に失敗したとみられる不自然なウクライナ産モリオン(→wikipediaからは削除されていました/参考写真)が存在する理由については、直接手にとっていないため、分からない。

なお、wikipediaによると、かの毛沢東氏は「たとえ地球に大穴が開いても、あるいは地球が粉々に吹き飛ばされたとしても、太陽系にとっては大きなことかもしれないが、宇宙全体から見ればとるにたらない」と、地球の終焉を示唆している。
また、核汚染がきわめて深刻とされるタクラマカン砂漠やゴビ砂漠の砂は、黄砂となって日本に飛来している。



この標本は1990年産出とのこと。
ヘリオドール鉱山が閉山した年にあたる。


80×55×48mm  182.1g

2012/08/17

ゴールデンダンビュライト


ゴールデン ダンビュライト
Gorlden Danburite
Munaraima, Kivuwa, Uluguru Mts., Tanzania



タンザニア産ダンビュライトといえば、米Heaven&Earth社より発売された、アグニゴールドダンビュライト(→写真)を思い浮かべる人が多いかもしれない。
高次の意識へのアクセスを助け、偉大なるグレート・セントラル・サンからのエネルギーをもたらすという、奇跡のヒーリングストーンである。
写真を見て、いやコレ少し違う、と判ったあなたは通の人。

世界各地から発見されるダンビュライト(ダンブリ石)。
ダンビュライトは一般に、透明または白。
トパーズに似た細長い柱状結晶となって発見される。
他に、ピンクやシャンペンカラー、ゴールドやブラウン、グレー、稀にグリーンなど、産地によって色合いや形状に特色がある。
また、国産のダンブリ石には内包物が入ることが多い。
宝石質のダンビュライトはコレクション用にカットされ、収集家に愛されている。
クリスタルヒーリングにおいても、高い浄化作用を持つ天使の石として根強い人気がある。
明るいブライトイエローのダンビュライトは、ロシアのインペリアルカラーを凌ぐ美しさと騒がれ、その希少性もあいまって、幅広い層から支持を得た。
しかし、産出は少なかったのか、質は低下するいっぽう。
3年ほど前にはヒーリングストーンとして、カット品として、鉱物標本としても頻繁に見かけた。
この石もまた、やがて忘れられていく運命にあるのかもしれない。

このほど、同じタンザニア産出のダンビュライトに、ややグリーンをおびた、結晶質のゴールデンダンビュライトがあることを知った。
写真では完全にイエローに写ってしまったが、現物はオーロベルディを思わせるグリーンゴールド。
アグニゴールドダンビュライトが不透明な塊状で産出するのに対して、こちらは透明かつ結晶している。
産出は同じタンザニア。
アグニゴールドダンビュライトの産出する鉱山から北東へ約200kmほど進んだ山地から、この特異なダンビュライトは見つかった。
両端の結晶した綺麗な原石で、通常は細長いダンビュライトと比べ、全体にボリューム感があるのも面白い。
中央にクラックがあるために、カットを免れたのかも。
グリーンのダンビュライトは非常に珍しく、収集家の憧れとなっている。
光源によってはグリーンにも見えるこのタンザニア産ゴールデンダンビュライト、なかなかの珍品かもしれない。

しかしながら、ダンビュライトを放射線処理し、シャンペン~ブラウンに改色しているケースも少なくない。
カットされてしまうと、識別は困難。
意外に知られていないが、実は処理石には、特別な注意が必要である。
何故なら放射線処理によって、石のパワーがなくなってしまうらしいのだ!
染色するだけでそのパワーに影響があるというから、衝撃的である!


パワーの無いパワーストーンなど、ただの石である!

オーロベルディに似た色合いの、このダンビュライトは大丈夫なのか?
そもそもオーロベルディは、メタモルフォシスに放射線処理を施すことによって生まれるわけだから…
と、オーロベルディをクリック。
パワーがアップする、と書いてある。
処理石は他にも販売されている。
風水的には、細かいことは気にするな、ということなのだな。
ダンビュライトも然り。
くれぐれも、思い悩まれることなきよう。

参考:風水そうじ術
http://gbiz.jpn.org/fusui/pstn205.html


28×23×15mm  12.30g

今週、話題性が確認された10の鉱物

What Mineral Would You Take with You to A Deserted Island?