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2012/11/25

アイスエンジェル/見つかったアイスデビル


アイスエンジェル™
Ice Quartz
Madagascar



先日出会った謎のクリスタル、アイルデビル。
お世話になった方のご厚意でお借りしたにも関わらず、翌朝には消えてしまった(→なりゆきについてはこちら)。
必死になって探したのに、いっこうに見つからない。
大切なコレクションをお預かりした以上、弁償しなければならない。

問題はどこから入手するか。
渦中の人物からの購入品でないことは伺っていた。
アイスデビルの正規取扱店を自称するその人物は、どうも日本人かどうかすら疑わしく、会社の存在自体危うい。
詳しいことはここでは記すことができない。
かの人物の取り扱うヴィクトリアストーンアンダラクリスタルはすべて中国産もしくはオークションからの転売品であり、しばしば劇薬や産業廃棄物が混入しているという。
信じがたいことだが、その人物の扱う鉱物を私はこの目で見ている。
悪寒がして処分してしまっただけに、説得力がある。
飯盛博士のご遺族との親交についても嘘であったとみられる
そのような人物から得体の知れない化学物質を買うことができようか(※注)

そんな折、偶然卸先で見つけた透明水晶の塊。
マダガスカル産出のアイスクォーツとあるから、もしかしたら同じものかもしれない。
すぐに注文した。
アイスデビルをお借りしていた方からは、代わりにはなり得ないことは明白にも関わらず、ご快諾いただいた。
たった一度だけ見たアイスデビル。
はっきり覚えている。
果たして同じものなのか。

燃えつきかけながらも必死で取り組んだオークションが終わり、一息ついた頃だったか、その水晶は我が家にやってきた。
意外な誤算だった。
マダガスカル生まれというその水晶は実に清涼で、強く純粋な光を放っていた。
残念ながらアイスデビルとは別物(何人かの方にご意見を伺ったが、異なるとのご意見のみ)。
アイスデビルの第一印象が「硬い」のに対して、届けられた水晶は「やわらかい」質感を持つという点で全く異なる。
そこで私は名案を思い立った。
アイスデビルとの違いを明白にすべく、私が勝手に名前をつけてしまおう、と。

かくしてアイスエンジェルという新しい高波動クリスタルが、うさこふにより勝手に考案された。
アイスデビルに対抗すべく、数秒余りで閃いたとはいえ、我ながら良い名である(自画自賛)。
実際、アイスエンジェルという名のヒーリングストーンは、ありそうでなかった。
新世代のクリスタル、アイスエンジェル™が世に誕生した瞬間であった。

いっぽう、アイスデビルは一ヶ月近く経っても見つからなかった。
わるい印象は全く受けなかっただけに、私自身の問題と自分を責めた。
ただ、アイスエンジェルが来てからというもの、状況は目に見えて好転していった。
この未知のクリスタルが、悲しみや不安をひとつずつ消していくかのように思えた。
一刻も早くあの方にアイスエンジェルをお届けしようと思った。
一つ一つチェックし、最もクリアな石2つと、レインボーの見える石、以上の3つを選んで、梱包に取りかかった。
ふと、しばらく見ていなかった愛用のグレーのポーチが目に入った。
今にも転がりそうである。
慌てて救助し中身を取り出した。
絶句した。
あれほど探し回ったアイスデビルが出てきたのだ。
のちに、お守りとして持ち歩いていたはずのガーディアンストーン/ガーディアナイト(H&E社)が一緒に入っていたことに気づき、神妙な気持ちになった。

急がないとまた消えてしまうかもしれない。
ひとつをアイスデビルと入れ替えてすぐに発送した。
実は、不安だった。
あれほどクリアだったアイスデビルが、濁って見えたから。
石には魂が宿る。
目に見えない力についてはわからない。
だが、私がもしあの石を濁らせてしまったのだとしたら、私の心の濁りが原因だ。
あえて事前にご連絡せず、手紙をしたためて発送した。

それから十日余り。
今だご連絡がない。
事前にお伝えしなかった自分に問題があると感じ、メールを送ったところ、すぐにその方から変わらぬ元気なお返事が返ってきた。
お忙しかったとのこと、荷物のほうは無事に到着していると伺い、ホッとした。
ただ、不可解な点がある。
2日前に到着したばかりとのこと、十日前には送ったはずだから、もしかすると何らかのトラブルに巻き込まれたのかもしれない。
奇想天外な出来事が続きすぎて、もう慣れてしまった。
気になるのはアイスデビルの変化。
お返ししたさいの様子について、恐る恐る伺った。
意外なお返事をいただいた。
アイスデビルの奥から虹が見え、輝いているとのお話。
ダメージによるクラックをそう表現してくださったその方のご配慮には恐縮している。
こちらを出発したときには虹は無かったから、長旅がこたえたのだろう。
石の濁りについては、伺うタイミングを見失ってしまった。

人間なら誰しも夢を見る。
こんないいものを見つけたならば、もっと手に入れておこう、と。
もしアイスエンジェルが私に幸運を運んできてくれたのなら、追加で注文するべきではない。
タイミングに拠っては全く異なる石が届くのがロット買いのデメリット。
私はこの限られた石に感謝し、不思議な偶然を信じることにした。
アイスデビルとの比較用として、安易にお配りするのはやめるようと思った。
ロットでの購入だったが、量は思ったより少なく、無料でお配りすることはできない。
もし本当に必要としている方がおられたら、お譲りしたい。

推測になるが、アイスデビルは中国産水晶の加工後の欠片ではないだろうか。
加工される水晶はもっぱら、中国またはブラジル産水晶である。
欧米向けに加工されるブラジル産とは異なり、中国の水晶は独自のルートで日本に入ってくる。
中国産水晶は産出の多さに関わらず、極めて透明度が高い。
原価も安いうえ、日本であれば地理的にも有利。
加工された余りについても需要が見込めるのは、どう考えても日本だろう。
以上は推測である。
どうか事実とは受け止めないでいただきたい。
参考までに、日本までの国際郵便の送料が最も高い地域に、マダガスカル及びブラジルが分類される旨、記しておきたい。





注:悲しいことに、アイスデビル販売者の信じがたい噂はすべて事実でした。アンダラ等は絶対に直接触れてはいけません。ヴィクトリアストーンとされる染色品等も危険です。小さなお子様やペットの命を守ってください。アイスデビルは500円を超えない範囲でのご購入を強くお薦めします(詳細はこちら)。


35×27×14mm  計23.23g

2012/10/19

ザギマウンテンクォーツ/消えたアイスデビル


ザギマウンテンクォーツ
Zagi Mountain Quartz
Zagi Mountain, Mulla Ghori, Khyber Agency, FATA, Pakistan



本当ならここで、美しいアイスデビル(→考察はこちら)をご紹介できるはずだった。
ある方のご厚意で手元にやってきたアイスデビル。
透明度の高い塊状の水晶で、悪魔的なイメージは全く感じられなかった。
切断面が著しいため、鉱物標本としての価値はないが、癒しには成りうるだろう。
ただ、約3000円という市販価格はやや高額であり、300~500円程度が妥当なのではないかというのが素直な感想だった。
想像するに、加工した水晶の残りであろう。
ヒーリングストーンとしては、同じマダガスカル産出のジラソルのほうが美しいと感じる。

天然石に同じものは存在しない。
お返しするさいに何かあってはと、封筒に入れて倉庫の奥にしまった。
翌日、撮影のため封筒を手に取ったら、中身は空っぽになっていた。
その間たった一日。
家族は旅行中で留守だった。
ご厚意を裏切るようなかたちになってしまったことを情けなく、恥ずかしく思う。

ここ数日、強い違和感が続いていた。
一週間前、二階の窓めがけて飛んできた漆黒の虫事件(前回の記事参照)以降、有り得ないようなトラブルが次々に起きていた。
最も衝撃的だったのは肋骨損傷で、あと一秒遅ければ死んでいたかもしれない。
実は肋骨損傷に関わるPTSDが、私が障害者として生きることになるきっかけだった。
まだ治っていないことをつきつけられた。
今回は事故に過ぎないのに、精神的ダメージは思ったより大きかった。
あまりに災難が続くため、遺書まで書いたほどである。

翌朝、アイスデビルは消えてしまった。
むりやりで申し訳ないのだが、どことなく外観の似たこの石をご紹介させていただこうと思う。
ザギマウンテンから産出したという、ゴールドに輝く水晶。
実に美しい。
鉄分による発色だろうか。
こんなものが眠っていたとは、ザギの魅力は計り知れない。

ザギマウンテンクォーツの流通は急激に増え、さまざまなバリエーションを見かけるようになった。
このゴールドの他にも、青い針の入ったザギマウンテンクォーツが見つかっている(→せっかくなので出品しました)。
いわゆるブルールチルにそっくり。
インディゴライト入りと紹介しているところもある。
ザギからはショール(ブラックトルマリン)の産出記録があるが、インディゴライトについては記録がない。
可能性があるとしたらアクチノライトではないかと思うのだが、見た目から判別するのは困難であった。

参考)ザギマウンテンは聖地ではなかった?

http://usakoff.blogspot.com/2012/08/27.html


ザギマウンテンは広い。
こんな珍品があったことに驚かされる。
私を助けてくれたのかもしれない。
或いはアイスデビルは、無意識に眠る心の闇を明らかにするクリスタルなのかもしれない。
そう思いながら、消えてしまったアイスデビルを必死で探している。


43×32×25mm  31.57g

2012/10/08

アイスデビル


キャッツアイ
Synthetic Cats Eye
産地/年代不明



アンティークの重厚感あふれるペンダント。
ムーンストーン・キャッツアイを模して、ヨーロッパで製作されたものと伺っている。
戦後すぐ、或いはそれ以前の作品ともみえる華やかで煌びやかなデザイン。
時代遅れの感はあるが、美しい。

キャッツアイといえば、人工キャッツアイの開発者である飯盛里安博士。
ヴィクトリアストーンという宝石を世に遺した偉大なる研究者である。
驚くべきことに、ヴィクトリアストーンと銘打って、廉価な赤いキャッツアイにこのブログの解説を添え、オークションで販売された人物が現れた(プライバシーの観点から、記事へのリンクは控える)。
ソースを明示してくださったおかげで、その事実がわかった。
心から感謝申し上げる。
ただ、偽物に自分の解説を使われては、悲しくてやりきれない。

今回は写真のペンダントではなく、ヴィクトリアストーンがきっかけでその存在を知ったばかりの、ある石の謎に迫ってみたい。

富を幸福と位置づけるアジア諸国においては、コンテンツの流用は半ば当然のこと。
中国の擬似ミッキーマウスに代表されるように、著作権に金銭が発生する以上、幸福の妨げになるような権利は避ける必要がある。
貧しい東南アジアの国々においては、事実上、著作権は存在しない。
それを経済的な貧しさとみるか、心の貧しさとみるかは、人それぞれだ。

表現の自由という権利も存在する。
権利のみを主張し義務を怠るのは、誤りとされている。
いっぽうで、両者が相容れない関係なのもまた、現実である。
著作権や肖像権、或いは人権を、自由や幸福追求の権利をもって否定する行為を、正義とみなす向きもある。
そんな世の中にあって、氏がソースを明示してくださったことについて、同じ日本人であることを誇りに思う。
ただ、私は納得していない。
その後、多くの方から貴重な情報やご感想をいただいた。
心ある方から、氏がどうも不審なビジネスに関わっておられるのではないか、というお話を伺った。
事実関係や今回の記事の如何について確認するため、ご本人には何度もお電話を試みた。
現在も連絡は取れずじまいゆえ、私なりに記させていただこうかと思う。

氷の悪魔と呼ばれる水晶があることはご存知であろうか。
欧米のヒーリングストーンを中心に集めておられる方にとっては初耳かもしれない。
氷の悪魔の化身、マダガスカル産アイスデビル。
恥ずかしながら、私自身初耳であって、手持ちはない。
欧米のクリスタルヒーラーを経由して入ってきたなら噂になってもよさそうなものだが、ごく一部で知られるのみだという。
ずいぶん前、マダガスカル産 "アイスクォーツ" という氷のように美しいローズクォーツが流通したが、アイスデビルの価格はその十倍以上。
ごく普通の透明水晶の塊が、軒並み一万円を越えている。
さらに奇妙なことに、このアイスデビル、先の人物が流通、普及に関わっているというのである。

キリスト教の影響下にある欧米で、倫理的にシリアスな意味合いを持つデビル(悪魔)。
善悪を厳しく二分するキリスト教的価値観において、神の対極をなす悪魔が神聖視されるとは、奇妙である。
魔女の名を与えられたウィッチズフィンガークォーツに関しては、クリスタルヒーリングにおける神秘主義的な観点から、高い支持を得ているものと聞く。
アイスデビルもその延長なのだろうか?

宗教的倫理観は、我々が思うほど曖昧なものではない。
私たちは欧米人を真似て「ゴッドブレスユー!」「オーマイゴット!」などと叫んだりする。
ここで用いられる「ゴッド」は神、つまりイエス・キリストのことを指している。
一般に、人に対して「ゴッド」という表現は使わない。
マダガスカルにキリスト教徒が存在し、アイスデビルが現地名であるならば、なにか特別な理由があるはずだ。
しかし、アイスデビルの名の由来に関する、具体的な記述はどこにも見当たらない。

マダガスカルではどのような信仰が一般的なのか、調べてみた。
Wikipediaによると、マダガスカルにおいては、アニミズム信仰(自然等を崇拝する、土着的な信仰)が最も親しまれている様子。
いっぽう、国民の49%がキリスト教徒であるとのこと。
マダガスカルもキリスト教圏に含まれると考えるなら、アイスデビルはおそらく現地名ではない。

キリスト教圏で "デビル" が徹底的に忌み嫌われるわけではない。
子供たちはデビルが大好きだという。
実際、欧米の子供向けテレビゲームに "アイスデビル" という敵キャラクターが登場する。
ただ、アイスデビルの名の由来になったとは考えにくい。

思うにアイスデビルはアジアを経由し、ビジネス目的で日本に大量に輸入された…
ならば、アンダラクリスタル並みの価値を与えられている現状、またその不透明な(或いは呪われた)存在を、放置しておくわけにはいくまい。
ただし、アイスデビルが、かの人物の考案した高波動クリスタルであったとしたら、これ以上の言及は控えなければならない。
多少なりとも関わりを持った人間を責めようなら、憎しみや悲しみが生まれる。
私はアイスデビルの正体を知りたい。
ただ、それだけだ。

実は私は過去に、その人物からいくつか鉱物を購入していた。
ご本人はおそらく、それをたどってこのブログをご覧になったのだろう。
私が氏から購入した鉱物は、全て加熱処理や放射線処理が施されており、切断面が顕著で、コレクションとしての価値は皆無であった。
また、奈良県産として購入したレインボーガーネットは光らなかった。
市町村の規定に従い、処分した。
ご指摘を受けるまで忘れていた。

もしあの赤黒いキャッツアイが飯盛博士の作品であったなら、博士に詫びなければならない。
飯盛博士のご遺族のお名前を出されては、ただうつむくしかない。
私にはあのキャッツアイが時代を超えて輝き続けるとは思えない。
血も滴るアイルデビル。
なんて恐ろしい響きだろう。
あまりの恐怖に、私は空を飛びたい気分である。
氷の悪魔が、暗闇の淵から密やかに微笑んでいる。




出品者様が飯盛博士のご遺族から受け継いだキャッツアイ。
商品解説にはなぜか私のヴィクトリアストーンの記事が。


25×25×7mm(チェーン40cm )144.40g



アイスデビルの正体がわかりました。詳細はこちらからどうぞ。

今週、話題性が確認された10の鉱物

What Mineral Would You Take with You to A Deserted Island?