2012/12/18

幻のカコクセナイトアメジスト(パープルアンジェリン)

 
カコクセナイトアメジスト
Cacoxenite, Amethyst
Fundão, Espirito de Santo, Brazil



先日、見事なゴールドの針が入った、色濃いアメジストを見つけた。
カコクセナイトアメジストと呼ばれているらしい。
購入を迷っているうちに、あれよあれよと価格が上がっていく。
一見するとスーパーセブンなのだけれど、何かが違う。
購入可能なところを何件もあたってみたものの、世界的に品薄なのか、どこも在庫切れだった。

1995年、ブラジル・エスピリトサント州のある鉱山において、クリスタルヒーラーA.メロディ氏によって見出されたスーパーセブン。
もはや流通していない。
初期に流通したという美しいスーパーセブンは、既に掘りつくされてしまった。
現在入手可能な原石は、同じエスピリトサント州にいくつか存在する、別のアメジスト鉱山から採取されているもの。
宝石質のカット品は南インド産になる(→カット品の例)。
ビーズについては、中国やアフリカから産する類似のアメジストをスーパーセブンとして販売するのが一般的である。
いずれも定義上スーパーセブンではない(→スーパーセブンについての記事はこちら)から、スーパーセブンは既に絶産している。
だがこのアメジスト、元祖・エスピリトサント産にも関わらず、スーパーセブンではないとの明記がなされている。
面白いものを見つけた。
レアストーンハンター魂をフル稼働して、ようやく探し当てたのが写真の石。

程なくして待望のカコクセナイトアメジストがブラジルから届いた。
素晴らしい。
カコクセナイトとされる極太の金のインクルージョンが、ぎっしり詰め込まれている。
アメジストの色が濃すぎてよく見えないのもまた、嬉しい。
ロットの中には完全結晶も混じっていた。
結晶は細やかで繊細、しかしながら大きく重厚な紫の色合いを示し、かつ金色の針が至るところに詰め込まれた、堂々たるカテドラル・アメジストであった。
スーパーセブンの原石とは明らかに異なるものである。
どちらかというと、カコクセナイト入りアメジストとして流通している研磨品に思えるのだが、断定はできない。
なんせ、紫の色が濃すぎる。
ブラックアメジストといっても過言ではないほどだから、研磨しても紫の色合いは残るはずだ。
いや、もしかすると長い間暗い倉庫に眠っていたために、退色を免れたのではないか。
アメジストには太陽光で色褪せてしまう性質がある。
多少古びた感じがしたのは、アメジストの色があまりに濃すぎること、切断面が滑らかになっていること。
もしや、採取/カットされてからかなりの時間が経っている?

実際、調べてみるとこのアメジスト、本当に古いものだった。
ブラジルのエスピリトサント州南東に位置するフンダンに、かつて世界に名の知れた鉱山があった。
発見から十年余り、採掘中の事故で、たくさんの宝石もろとも鉱山は水没してしまった。
現在、採りに入ることはできない。
独特の金のインクルージョンの入ったこのアメジストは、この鉱山からしか見つかっていないらしい。
また、C軸に対して垂直にカットしないと、放射状に広がるカコクセナイトの様子は見えないという。
つまり、この謎のアメジストは、1960年代初期~70年代半ばにフンダンのとある鉱山から産し、その魅力を最大限に秘めたまま倉庫の暗闇に眠っていた。
鉱山主の自宅倉庫から発見された伝説の在庫が、このほど一斉に流出したということらしい。

世界的に有名なアメジストだというから、閉山までの十年間に採取されたストックも存在するはずだ。
前述したカコクセナイト入りアメジストの研磨品がそうではないかと疑いたくなる。
昨日、金の太針が模様を成すかのような内包物に彩られた水晶が、小さなカット品となって僅かに流通しているとのお話を伺った。
フンダン・アメジストのカット品に非常によく似ている。
ただ、肝心の中身が何なのかについては、まだわかっていないそうだ(注1)
或いは、H&E社の製品一覧にカコクセナイト(注2)がある。
紫の色がほとんどみえないが、これも退色によって色が抜けてしまったためではないだろうか。

注1)フンダン産アメジストに関しては、スーパーセブン同様、カコクセナイト以外の複数の鉱物インクルージョンの可能性が示唆されている。ただ、独特の金のインクルージョンについては、カコクセナイトではなく、ゲーサイトの混入との説がある。詳しくは、虚空座標さんのサイトを参照していただきたい。フンダン産については世界的にカコクセナイトと断言されているが、水晶に関する情報においては、日本が突出していることをここに明記する。ヘマタイトの混在の可能性については注3に記。KUROさん、いつもありがとうございます。

注2)カコクセナイトは鉱物名。原石はドイツから産出するものが有名。カコクセナイト/カコクセン石の標本は極めて地味なため、水晶に内包された美しいゴールドカラーのインクルージョンが、カコクセナイトとして定着してしまった可能性がある。



さて、後日気づいたのだが、今回私が在庫の確保をお願いした方は、鉱山主さんご本人であった。
倉庫から出てきたばかりのブツの写真があちこちに転載されているので、興味のある方は探していただきたい。
アメリカではすぐに評判になり、奪い合いになったようで、市場にはほとんど残っていない。
小売店ではひとつ120ドルなんて言われた。
H&E社代表のロバート・シモンズ氏もこのフンダン・アメジストに惚れこみ、新たなるヒーリングストーンとして紹介している。
その名もパープルアンジェリン。
シモンズ氏はこのアメジストに、深遠なる女神を見たという。
不思議だった。
私もその女神を見たような気がするのだ。
半世紀もの間眠っていたこのクリスタルには、スーパーセブンとは異なる眩い光が宿っている(注3)
まるで、新しい時代の幕開けを喜ぶかのように。

注3)フンダン・アメジストの研磨品からは、リアルにピンクのファイヤが出る(→写真
)。ならばピンクファイヤークォーツ同様、ヘマタイトが関与している可能性がある。水晶に内包されたゲーサイトとヘマタイト、レピドクロサイトの違いについても、現時点では明らかになっていない。


残念ながらこのカコクセナイトアメジスト、日本での評判はいまいち。
スーパーセブンと混同されてしまっている。
むしろ、スーパーセブンよりも以前から知られていたのに、スーパーセブン以下とみなされてしまっている感がある。
確かにもうウンザリな方も多いはず。
もっとも、メロディ氏によって見出された、リアル・スーパーセブンをお持ちの方はほんの一握りであろう。

早速とばかりに、このカコクセナイトアメジストを池袋ショーに持ち込み、この石の魅力を伝えに参った…
のであるが、やはりというか評判はよくなかった。
付着物を取るために使ったクレンジングオイル(鉄分などを取り除くのに便利です。プロは劇薬を使います)が残っていたために、コレは天然石ではない!というお叱りまで受けてしまった。
今回の池袋ショーに、フンダン・アメジストをお持ちの業者さんは見当たらなかった。

池袋ショーでは、オークションでお世話になった方々とお会いし、直接買ご購入いただく機会を頂戴した。
お忙しい中遠方からお越しいただいた皆さま、関係者様には深く感謝申し上げる(自分がブースをお留守にしている時にお越しくださったために、ご迷惑をおかけした確率は100%です!ごめんなさい。大先輩であるKさんはさすがの直観力、ジャストでお越しになりました。みなさま、ありがとうございました)。

さて、数あるパワーストーンの中から、このフンダン・アメジストを見出してくださったのは、三名様。
最初にお買い上げいただいたのはショー前日、オークションをきっかけに公私共にお世話になっている心優しい殿方である。
まだ評判すらわからない段階で、快く購入してくださった。
そして池袋ショー本番。
この石を手にとって購入されたのはお二人。
いずれもクリスタルヒーリングをお仕事にされ、日々学びを深めておられる人物だった。
お一人はなんと、ロシレムを世に紹介した世界的クリスタルヒーラー、デヴィッド・ガイガー氏のアシスタントさん。
ガイガー氏の信頼を得て、第一線で活躍されていらっしゃった。
もうお一人は(個人的な思いで申し訳ないのだけれど)今は連絡を取ることのできない、私にとってかけがえのない友人によく似ておられた。
魔女繋がりで、今回のオークションを支えてくださった方でもあった。
この御三方にこそ、フンダンのカコクセナイトアメジストがふさわしい。
私のような者がそのご案内を許されたことに感謝し、この場を借りてお礼申し上げる。

半世紀もの間、倉庫に眠っていた類い稀なるアメジスト。
アメトリンと見紛うような金のインクルージョンは、時に強く光を放つ。
この光はしばしば「セントエルモの火」と呼ばれているという。
悪天候のさい船のマストの先端が光るのが元々の由来で、それを鉱物に擬えたようだ。
もしかすると「セントエルモの火」は上に示した研磨品に見える、鮮烈なファイヤのことを指しているのかもしれない。
濃厚なアメジストの色合いと輝きは、荒れ狂う海に浮かぶ船を導く光と喩えられよう。
なお、クリスタルヒーリングにおいては、この石を霊的に高く位置づけ、現在急速に進行している地球の変化に関わる人々のもとを訪れることになるだろうと述べられている。




57×33×23mm  43.03g(本文下の写真右)


ただいまおすそわけ中です!消えてしまう前に是非どうぞ。


2012/12/17

ペリドット(川流れ)


ペリドット Peridot
Sappat, Naran-Kagan Valley, Kohistan District, Pakistan



フローライト?アクアマリン?
イエス!ペリドットです。
秋のオークションに出品させていただいた珍品、半透明ペリドット(オリビン)。
ペリドットとしては大きすぎる。
すりガラスのような質感はまるでフローライトのよう。
予備知識無しにペリドットとわかった方はおられるだろうか。
川流れ(→ブルートパーズ)なのか蝕像(→スモーキークォーツ)なのか、それとも他に原因があるのか。
当初は全くわからなかった。

珍石好きの自分にとってペリドットは、あまり縁の無い鉱物だった。
多くは小さな粒や欠片となって流通しており、原石標本より加工品が一般的となっている。
色合いや形状にこれといったヴァリエーションはなく、宝石に磨いてしまえば皆同じ。
8月の誕生石として知られるペリドット。
1月のガーネットや10月のトルマリンがいくら集めても終わらないのに対して、ペリドットはひとつあれば十分。
例外としては隕石に含まれる、いわゆる宇宙ペリドット。
情けないことに、私はそう認識していた。
甘かった。
いや、もしかしたらペリドットじゃないかもしれない。
そんな疑いの気持ちを抱いてしまうほど見事な、大粒のペリドット単結晶。

私はつくづく幸運だと思う。
オークションでこのペリドットを落札してくださった方は、なんとペリドットを専門に探求されている人物であった。
可能性については、川流れではないかというお話。
川流れペリドットというのは初耳である。
また、現地からはこれとそっくりの質感を持つ標本が相当量見つかっているようだ。
しかし、よくよく調べてみるとこのペリドット、どうも河川の流れによって下流に運ばれた土壌(沖積/ちゅうせき)の中から見つかるらしい。
熱水などの侵食を受けたものと思い込んでいたが、川を流れるうちに削られて変形していったと考えるべきか。
さすがペリドット・マスター。
彼に出会わなければ、私は侵食をうけたエッチング・ペリドットだと信じ込んでいた。
これ以上ない幸運なご縁に感謝した。
ところがマスター、早速研磨してみるとおっしゃる。
私は心の中で叫んだ。

ええっ?磨いちゃうの!?

この質感こそがこの原石の個性であり、魅力に違いない…と思い込んでいた。
のちにこの考えもまた、誤りであったことに気づかされる。
楽しみ方は人それぞれ。
磨いてようやくわかる魅力というのもあるのだ。
専門的見解を伺い、研磨についても納得のうえ、お譲りできることになった。
そうして、このペリドットの片割れは、その方のもとへと旅立っていった。

数日後、ペリドットが無事に届いたとのご連絡をいただいた。
ペリドットに間違いない、とのこと。
本当にペリドットなのかという疑問から探求が始まるのは、誰も皆同じなのかもしれない。
しかしここにきて、マスターから驚くべきお言葉が聞かれた。
研磨するかどうか迷っておられるとのこと。
研磨を前提に購入いただいたはずだったから、何か問題があったのかと不安になった。
特に問題はないとのこと。
他の石とは雰囲気が違うのだが、何か特別なペリドットなのか?とのご質問をいただいたことが強く印象に残っている。
自分同様、スピリチュアルとは無縁の方だと思っていた。
目に見えない何かを感じ取られたことが伝わってきた。
その後については、わからない。
今頃あのペリドットはどうしているだろうか。

人それぞれ想いは違う。
石を集める目的も違う。
それが意図したものとは異なるからといって、売り手がそれを止めることがあってはならない。
自ら購入し、気に入って大切にしている人生初のペリドットの片割れ。
特別な思いが宿ってしまったのだとしたら、私に責任がある。
だが、それをもってしても、美しい。
産地はパキスタン北部、ノースウエストフロンティア地方、ザギマウンテンの東にある渓谷のよう。
見事な河川が流れている(→地図と写真)。
ピンと来た方もおられるかと思う。
現地はアフガン・インド国境付近、世界情勢に疎い自分にも一瞬にしてわかるほど危険な土地。
だとしたらここにもまた、無限の可能性を秘めた鉱物が人知れず眠っていたということになるのだろう。




20×14×10mm  4.91g


やっと東京からかえってきました!

2012/12/13

モンモリロナイト


モンモリロン石
Montmorillonite
長崎県平戸市古江



国産鉱物を最後にご紹介してから半年が経ってしまった。
早速、先日の池袋ショーで入手した珍石を発表していきたい。
その名もモンモリロン石(モンモリロナイト/モンモリ石)。
変わった名前の鉱物についてはアリゾナのネコ石、カリフォルニアのチンカルコナイト(及びチンワルド雲母)などをご紹介してきた。
今回は日本式双晶が産することで知られる長崎県からやってきたモンモリロン石である。

以前アプリコットルチルに登場していただいた、老舗の鉱物店にて発見した。
同じ500円だった福島県石川町のサマルスキー石と悩んだ挙句、諦めようとした瞬間に、地震が起きた。
会場は大騒ぎになった。

「石にあたって死ねるなら本望よ!」

という姉貴の一声に、店内の人々はひとつになった。
そうして(どうして?)このモンモリロン石が我が家にやってくることになったのである。

モンモリロン石は、地味ながらも日本を代表する鉱物のひとつであり、古くから工業用、産業用、また医療用に活躍してきた。
洗剤や化粧品、健康素材、陶磁器の原料と、私たちの日常生活に欠かせない存在でもある。
どこからモンモリロンでどこまでがモンモリロンかということだが、ピンクの部分がそれにあたるようだ。
硬度は1-2とのこと、粘土鉱物のため意外に丈夫である。

調べてみるとこのモンモリロン石、今まさに注目の鉱物のようである。
美容と健康を促進する新素材として人気上昇中とみられる。
クレイ洗顔やクレイパックなどに入っているベントナイトは、モンモリロナイトと関連性があるらしい。
ベントナイトについては、聞いたことのある方も多いのでは。
実は私も持っている。
そう、一見すると謎の鉱物・モンモリロンは、意外すぎるくらい身近な鉱物だったのである。

折角の機会なので、変わった名前の石について考察してみよう。
変わった名前の石が最も多く発見されているのはカナダ。
ゴーマン石、ゴヤス石、ヨフォーティァー石など、インパクトにおいては世界一といえよう。
他にウクライナのサンタバーバラ石、ロシアのザリャー石、サウスダコタのパハサパ石やカリフォルニアのマイアーホッファー石も熱い。
そして国産鉱物。
有名な杉石、人形石、逸見石のほか、轟石(トドロカイト)、欽一石(キンイチライト)、園石(ソノライト)、大阪石(オオサカアイト)、千葉石(チバイト)、弗素木下雲母(フローキノシタライト)、ネオジム弘三石(コーゾアイト)、ウチュクチャクア鉱(ウチュクチャクアイト)、斜プチロル沸石(クリノプチロライト)、ワイラケ沸石(ワイラケアイト)など思わず購入してしまいたくなる珍石が国内から産出している。

さらに、隠れた珍石に、俊男石(トスダイト)がある。
なんと、写真のモンモリロン石とクローライトの混合鉱物になるという。
独立種とは認められていないが、国内から比較的産出がある。
日本の鉱物学者、須藤俊男博士に因んで命名されたといい、トス石の別名もあるという。
ツッコミどころが満載である。
俊男がどうしてトスダイトになるのかというあたりが最大の謎といえそうだ。
この標本もピンク以外の部分があるから、もしかすると俊男(トスオ)の疑いあり?


65×48×8mm  19.61g

2012/12/12

Why does people want it suddenly?

He told me not to see People's Dark Side, but I done.



Hello, I am very glad to receive your message.
My hope I wish to tell you could have reached to you just same as mine, which might have crossed the border.
It is my pleasure if it could be by my poor English, but not by my heart.

Please excuse me to my delay reply.
Now I am in Tokyo to join the Tokyo mineral show as a seller.
It was finished yesterday and I am writing for you in the guesthouse.
I'm not a seller, but some dealers who read my blog had called me.
I had been too busy to check any mails at all.

In fact, Imori's Victoria Stone had not been given the valuation in Japan.
Everybody forgot that awesome jewelry.
I guess that's why most of them brought out to outside Japan.
I had known it for about 5 years, but almost Japanese didn't know it about this time last year.
It was so expensive for me.
I was longing for and never forgot it, and finally I could get it last year with your help.

Once, you told me about A's amazing bulk offer...was it one month ago?
In the Mineral Show, she came to me and gave her business card.
She said she grew fond of Victoria Stone recently - her great discovery.
After she got them for selling, she knew my Victoria Stone's blog article by her friends.
Why me, Why now?
I could not say her anything.
She said me it's nothing but business.

But her Vicrotia Stone is not sold out...because another seller had many stocks of Victoria Stone for best price.
That's an old man Mr.B who has been worked long time for Jewelry.
I found his booth in Tokyo Mineral Show through my friend.
Surprisely, he had Dr.Imori's originally ones.
I will write about another story of Victoria Stone.

There was only one who loved Victoria Stone in Japan.
He was gone 10 years ago.
Mr. B has taken over his stock, but it remained because Japanese doesn't like man-made Jewelry.
But this year, many customers visited B's shop and bought it.
When B was confused, his daughter told him about my blog.
In Japan, there was no articles on the web mentioned about Victoria Stone, without mine.
His daughter made brochure printing for her father, by referring to my blog article.

At first I visited his booth, he didn't greet me but said he knew about Usakoff - after I showed my staff pass.
I do not want to sell Victoria Stone but I purchased it for my blog readers.
B had been selling Victoria Stone for 10yen/1g.
I told him it would be so cheap.
It must be sold out soon...all wrong sellers coming soon!
I heard a rumor in this show, there would be two Japanese sellers who have Victoria Stone stock.
One was A and another was unknown - I thought as Chinese faker - but B was genuine seller who has no web shop.

On last day of the show, I visited B again.
He was selling Victoria Stone 100yen/1g, also for me...he has changed.
His wife showed me the copies mentioned about Victoria Stone.
It was different from her daughter's and I understood its meaning.
She said me "go out. you're outsider".

But Mr. B stopped her, and said me;
"you can take them as you want, I can share with you just for $50.00."
I selected 3 pieces and I could not hope for many because it's sure it was Imori's wish.

Before leaving his booth, he handed me a synthetic Emerald.
How amazing gift! - it was also Imori's work.
No one knows about it, only him.
It was specially awesome gift for me; however, it's sure it also disappeared from the Historical Records of Japan.

After I will take a picture of it to send you.
I think Dr. Imori had loved green color of Nephrite in memories of his son.
I found out him father's love again, also daughter's.

Once in the past - Victoria Stone had faded away in Japan.
Why does people come to want it suddenly?
It might be the warning from Imori in my dream "Hatsuyume".
I guess he appeared in my dream and told me not to see People's Dark Side, but I done.


2012/12/07

インファナイト


インファナイト
Infinite Stone
Northern Province, South Africa



独特の優しい模様や手ざわりを特徴とするヒーリングストーン、インファナイト(インフィナイト)。
クリソタイル(白石綿)を中心に構成されるサーペンティンの一種である。
1996年、南アフリカにおいてスティーヴン・ロスリー氏により見出され、世界に紹介された。
アジョイトを求め南アフリカを訪れていたロスリー氏は、この石に特別なインスピレーションを受け、"無限" を意味するインファナイトの名を与えたという。
インファナイトはその後、ジュディ・ホール氏やロバート・シモンズ氏といった世界的クリスタルヒーラーから高い評価を受けた。

インファナイトはいわば、白石綿の塊。
石綿から成る鉱物と聞いて驚いてしまう方もおられるかと思うが、砕いて吸引しない限り問題ない。
石綿、アスベストにまつわるヒーリングストーンは多い。
いまや私たちの命を脅かす存在と成り果ててしまったアスベストも、古代より神聖視されてきた鉱物のひとつだった。
以前も記したが、鉱物が人類にもたらした負の歴史は、自然には存在し得ない量の資源を掘り起こし、暮らしを豊かにしようとした人類への報いだと思っている。

先日、インファナイトをお探しとのご相談を受けた。
私にはその方に確かな情報をお伝えすることができなかった。
というのも、どうもおかしなことになっている。
ネットでは、鮮やかなグリーンやイエロー、茶系の石がインファナイトとされ、高価なブレスレットとなって紹介されている。
発見者であるスティーヴン・ロスリー氏自ら紹介したと説明しているところがあるのは不可解。
国内に限ったことではない。
私が持っているインファナイトとは、色、質感ともに、明らかに異なるものである。

写真は3年ほど前に入手したインファナイト。
現在インファナイトとして流通している石とは異なる石だ。
もう採り尽くされてしまったのかもしれない。
インファナイトの魅力は、人を選ばない(名目上はヒーラーのための石なのに、ヒーラー以外も楽しめる)というアバウトさ、親しみやすさ。
私の脳内のレアストーンリストに長らく残ったままになっていたこの石に今、何が起きているのだろう。

初めてこの石を知ったとき、インファナイトは「サーペンティンとクリソタイルの混在した非常に珍しい鉱物」と紹介されていた。
なぜ問題にならないのか、長らく不思議に思っている。
サーペンティンは鉱物のグループ名。
アンチゴライト、リザーダイド、そしてクリソタイルの3つの鉱物を総称してそう呼んでいる。
そう、クリソタイルはサーペンティンの一種を指す言葉なのだ。
リザーダイドについては、北欧から産出する鮮烈な黄緑色の石が知られているが、リザーダイドとサーペンティンが混在した鉱物という言い方はしない。
リザーダイドについてはなかなか流通しないから、レアストーンと呼んで差し支えないと思う。
かつてのインファナイトも珍しかったから、希少価値がついたのだ。
現在、世界的に流通している色濃い緑や黄色のインファナイト。
どう見ても他所から産出したサーペンティン。
残念ながら、サーペンティンは世界中から産するありふれた鉱物である。

写真は手持ちの南アフリカ産インファナイト。
4,5年前に入手した。
ロスリー氏の資料をあたると、どうもこのグレーグリーンの石が本来のインファナイトのよう。
インファナイトの詳細な産地は明かされておらず、詳しい産状はわからない。
同じ土地から、濃い緑や黄色のインファナイトも産出するということになるのだろうか。

もともとサーペンティンが好きだった。
サーペンティンといえば深緑から黄緑、イエローと色合いは幅広く模様も多彩。
インファナイトのすべすべの手触り、優しい色合いや質感、惑星のような独特の模様は、そんなサーペンティンを凌ぐ魅力に溢れていた。
しばしば "ヒーラーズ・ストーン" と紹介されるインファナイト。
この表現をすっかり気に入った私は、ヒーリングストーンを軒並みヒーラーズ・ストーンとご紹介してしまった。
反省している。
私はクリスタルヒーラーではない。
日本にクリスタルヒーラーが登場したのはごく最近のこと。
過去には危険思想やカルトと混同され嫌悪される日本を離れ、欧米や南米、インドなど、海外を拠点に活動される人のほうが多かった。
実際、日本でやるとそうなってしまう。
パワーストーンは苦手だという方からお話を伺うと、恐ろしい新興宗教やオカルト思想の一種とお感じの様子。
そうではないというと嘘になる。

かつて、鉱物を愛する人々は、パワーストーンブームがおかしな方向へ向かうことを警戒していた。
鉱物と併せ、ヒーリングストーンも好む人々の間には、掟のようなものがあった。
(私の周りだけかもしれないが)自分たちの中からクリスタルヒーラー、つまり特別な人間が誕生してはならないというものだ。
選民意識への反発、石への敬意と探究心、謙虚さ。
誰でも平等に、興味を抱いたあらゆる石を手にするべきだという、節義をわきまえた人々が居た。
石ではなく自分自身を愛する人々には、そうした発想は皆無だった。
今回のアセンションには、クリスタルヒーリングにおける過ちが関係している。

忘れてはいけないことがある。
インファナイトはクリスタルヒーラーになれる石ではない。
或いは、インファナイトが絶対的な「無限」を意味するとは限らない。
スーパーセブン、ティファニーストーンエイラットストーン、そしてこのインファナイトまでも、クリスタルヒーリングを愛する人を試すかのような存在になってしまった。
欧米において、南アフリカ産にそっくりな中国産インファナイトが堂々販売されているのを目撃した。
中国で「牛油玉」と呼ばれ大量に流通している岩石みたい。
名前が恐い。
南アフリカ産がサラサラなのに対して、中国産はツルツル光っている。
本来のインファナイトを一度でも手に取ったことのある人なら気づくはずだが、写真だけでは判断できない難しさがある。


インファナイトについて語るロスリー氏




ダライラマ似のスティーヴン・ロスリー氏自らインファナイトについて語っている
手にはジュディ・ホール氏やロバート・シモンズ氏の著書も
紹介されているのはグレーを基調としたかつてのインファナイトに同じもの


未測定

2012/12/04

セフトナイト/アフリカンブラッドストーン


アフリカンブラッドストーン
African Bloodstone/Seftonite
Arathi Highlands, Swaziland



一見するとインド産ブラッドストーンにも見えるこの石は、アフリカのスワジランドという珍国からやってきた。
日本の収集家さんが即売会で入手されたものと伺った。
スワジランドのインパクトに驚き、条件反射的に購入した。
ブラッドストーンではないが、よく似ているため、アフリカンブラッドストーンの愛称で呼ばれている。
他にセフトナイト(日本で訳されている例は見当たらなかった)と呼ばれたり、チェリーオーキッドアゲート、チェリーボルケーノアゲート、ボルケーノアゲート等々、流通名はまちまち。

鉱物としてはマーカサイトを豊富に含むカルセドニーの一種で、微細なパイライトを伴って発見されるという。
見た目よりもずっと軽い。。
研磨品はまるで火山性オブシディアンのような質感だが、オブシディアンとは異なり結晶している。
灰緑色と赤の模様は鉄分に由来する。
文末に研磨品の写真を掲載した。
磨くと光沢を増し、色合いが鮮明になるという特徴がある。
以上がアフリカンブラッドストーン/セフトナイトのプロフィール。

当初、私にはスワジランドがなんだか分からなかった。
国の名前だということはわかった。
スワジランドは南アフリカに隣接する小さな国で鉱業が盛ん、ということくらいしかわからない。
後日、この未知の鉱物がなんと、欧米で高い評価を得ていることを知る。
一見した時は同じものとわからなかった。
原石とはあまりに印象が違いすぎる。
もう一度、文末に掲載の研磨品をみていただきたい。
チェリーやオーキッド(蘭)のイメージとはかけ離れた、著しい変身の結果が見て取れると思う。
スワジランド産というヒントがなければ気づかなかった。
研磨前・研磨後のギャップは、この石の明暗を分けると言っても過言ではない。
日本で知名度を上げるには、ビーズへの加工が前提。
アフリカンブラッドストーンを日本市場に定着させるには、研磨後のそれを、癒しのパワーに変える必要がある。

ふと、思い立った。
朱色のインパクトが強すぎるのだ。
そう、神社である。
全国の数ある神社の中から、この石のイメージに合う神社をチョイスすればよい。
1分後、この石の和名が決まった。


日本三景、瀬戸内海に浮かぶ厳島神社の鳥居を見ていただきたい。
社殿との色合いのコントラストは、まさにアフリカンブラッドストーンの研磨品そのものである。
平安時代を思わせるこの荘厳な姿は、癒しに通ずる(断言)。
ゆえに、アフリカンブラッドストーンはヒーリングストーンに間違いない(断言)。
幸い、まだ誰もこの石のことをご存じないようである。
ここぞとばかりに、クリスタルヒーリングにおける新たな可能性を示唆しておきたい。
謎の国・スワジランドから届けられたこの石は、日本人の美意識にふさわしい癒しのクリスタルだったのである。

以前広島を一人旅したさい、船に乗って厳島神社を見に行ったのを思い出す。
確か、満ち潮でほとんど見えなかった記憶がある。
フェリーで上陸した宮島は、鹿だらけだった。
鹿は神の使いだという。

話を元に戻そう。
由緒ある日本の美意識を現代に伝えるこのスワジランド産・厳島神社は、ヒーリングストーンとしての新たなる可能性を秘めている。
ただし、日本市場向けに、ビーズに加工する必要がある。
厳島神社といえど、好みはわかれるかもしれない。
原石のままであれば、カルセドニーならではのデリケートな雰囲気に、癒しを感じる方も多いのでは。
深いグリーンの色合いや優しい質感を生かし、原石に近い形で楽しむ方法はないものかと考えている。




53×33×15mm  26.97g

今週、話題性が確認された10の鉱物

What Mineral Would You Take with You to A Deserted Island?