2012/05/25

ブルートパーズ(川流れ)


ブルートパーズ Blue Topaz
Aracuai River, Aracuai, Minas Gerias, Brazil



ガラスのようなブルーの石ころ。
一見すると、川流れ水晶のように見える。
青い色の水晶は無いはずだから、何事かと思ってしまう。

二年前の秋のミネラルショー、ブラジル産鉱物専門ブースの500円コーナーにあったもの。
上流に有名なブルートパーズの産地があり、そこから流れ出たものだろうとのことだった。
川流れトパーズ。
半分に割って、中を見てみたい衝動にかられる(川流れ水晶は半分に割って、内部が観察できるような状態で流通している)。

天然のブルートパーズというのは珍しい。
天然石志向がピークにあった頃、天然ブルートパーズのブレスを30万で購入した人がいたほど。
一般に知られているブルートパーズの多くは、熱処理・放射線処理によって青い色合いに変化させたもの。
もともとは宝石として使えない色だった。
スイスブルートパーズ、ロンドンブルートパーズなどと呼ばれる処理石は、大きいものでも千円以下で入手できる。

処理により色合いを変えることが可能なトパーズをFタイプという。
ブルートパーズはFタイプにあたる。
現在はシェリートパーズやピンクトパーズ、パープルトパーズなどに人気が集中している。
それらはOHタイプと呼ばれ、その希少性、色合いの珍しさ、美しさなどから高い評価を得ている。
いっとき希少品とされた天然のブルートパーズは、それらとは比べ物にならないほど流通した。
天然ブルートパーズは意外に珍しくないもの、として定着してしまった。
ゆえに、人気は下降気味。
このブルートパーズもまた、時代の流れに取り残され、処分されていたのだろう。

調べてみた。
"川流れトパーズ" という流通名は実際にあるようだ。
7月24日の誕生日石にも指定されている。
ただし見た目はこれとは別モノ。
大半は欠片のような状態で、まんまるなタイプはみかけなかった。

しかし、よくトパーズとわかったものだ。
レアな青い川流れ水晶だと言われたら、信じてしまうかも。


30×24×18mm  24.89g


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