2012/02/07

小川山の水晶


スモーキークォーツ Smoky Quartz
長野県南佐久郡川上村 小川山



豊かな自然に恵まれた日本アルプスには、有名な水晶の産地が数多く存在する。
長野県と山梨県の境界に位置する、標高2418mの小川山。
その地味すぎるネーミングから想像できるように、登山家には殆ど知られていない。
いっぽうで国内有数の水晶の産地として知られ、ミネラルハンターにとっては憧れの地でもある。
そんな小川山より採取されたという、優美なたたずまいのスモーキークォーツ。

吸い込まれるかのような透明感、柱面のほとんどみられない独特の結晶構造、そして噴きつけたかのようなイエローのコーティング。
この色合いは、結晶表面を薄く覆う鉄分に因るもの。
水晶がゴールドに輝くさまに特別な力があるとして、クリスタルヒーリングを愛する人々の間で「ゴールデンヒーラー」と呼ばれ神聖視されている。
元々はアメリカ・アーカンソー産の水晶を指して使われたものと記憶している。
国内からは、他にもゴールデンヒーラーの認められる水晶が得られたようだが、それらの多くは現在、貴重品となっている。
利欲にとらわれることなく、先人への敬意を以って賜るべきものと心得よ。

トップのみ発達した水晶は、アメリカから産出するスモーキーアメジストなどによく見られるが、この色合いは意外に見かけない。
小川山からは、他にも素晴らしい各種鉱物が発見されるらしい。
それが何なのかは、勇敢なミネラルハンターのみぞ知る。
日本には、美しい水晶を拝める秘境がある。
小春日和の太陽の下で、くつろぎながら味わいたい一品。


26×22×20mm  12.35g

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