2011/10/28

ファントム・アメジスト


ファントム・アメジスト
Amethyst Phantom
Haran, Balochistan, Pakistan



美しい濃淡のみられる小さなアメジストが2つ。
ひとつは両端が結晶して、ダブルポイントになっている。
ファントムと呼んでいいのかわからない。
バイカラーもしくはエレスチャルアメジストとしたほうがいいのかもしれない。
ファントムとは幻の意味。
まるで幻を見ているかのようだから、勝手にファントムと呼ぶことにした。
ファントム・アメジストは一昔前なら希少品で、研磨品が大半だった。
スーパーセブンの登場以降、濃淡のあるアメジストは珍しくなくなった。
現在ではファントム・アメジストのアクセサリーやビーズなどを頻繁に見かける。

すりガラスのような質感を持つ透明水晶に、うっすら浮かび上がるパープル。
ファントムというより、インクルージョン(内包物)と呼んであげたくなる。
もともとはアメジストだった結晶に、それを取り囲むように水晶が成長したものだと思われるが、そんなことがあるのか。
この逆であれば、よくある。
先端にいくに従ってアメジストの色が濃くなるクラスターは比較的多く、ファントム・アメジストとして付加価値をつけているところもある。
中身だけアメジストと聞いて想像するのは、エレスチャルくらい。
実際、奥の標本はエレスチャルのような形なので、複雑な過程を経て、偶然に出来上がったものなんだろう。
神様はよくぞこんな不思議なものを創られたと思う。

イメージとしては春かな。
桜の花のような瑞々しさ。
これから来る寒い季節も、このアメジストがあれば乗り越えられそうな気がする。


20×12×10mm(手前) 5.48g

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