2012/07/18

シャッタカイト/カルサイト


シャッタカイト Shattackite
Kaokaveld, Kunene Region, Namibia



美しいブルーの希少石、シャッタカイト(シャッツク石)。
以前水晶に内包されたものをアップしたが、こちらは水晶でコーティングされたもの。
ざらめのような細かい水晶の粒が、水色に染まっている。
シャッタカイトに独特の、ボール状の結晶形の名残りがみられる。
大きなカルサイト上に2箇所、水晶に彩られたシャッタカイトが顔を覗かせる、面白い標本。

シャッタカイトを知ったきっかけは、ナミビアから産出するというクォンタムクアトロシリカ(→写真)というヒーリングストーンだった。
クリソコラ、マラカイト、シャッタカイトが石英に入ったという鮮やかな色彩のその石は、タンブルに磨かれて広く流通した。
その後、シャッタカイトは入っていないという話になったため、動揺した方は多かったはず。
私はシャッタカイトの名に惹かれて入手したも同じだった。
ではあのブルーはなんだったのか。
現在も真相は明かされていないようである。

シャッタカイトは1914年、米・アリゾナ州でマラカイトの仮晶となって発見された銅にまつわる鉱物。
銅を含む石として有名なのは、シャッタカイトの他にマラカイト、クリソコラ、アズライト、ダイオプテーズ、ターコイズ、キュプライト、アジョイト/パパゴアイトなど。
銅の二次鉱物として最も一般的なのはマラカイト。
古い十円玉に発生する緑の物体(緑青/ろくしょう)は、実はマラカイトである。
上記の鉱物がマラカイトと混在して発見されることは多い(例:アズライトマラカイト、マラカイトキュプライト、エイラットストーン、ターコイズもそう)。
クォンタムクアトロシリカに含まれる青についても、上記のいずれかに該当する可能性はある。
名前が挙がらないということは、銅の類いであったに違いない。

アズライトとマラカイトなのか、シャッタカイトとマラカイトなのか、素人には見分けがつかない。
シャッタカイトがアジュラマラカイトと誤解されているケースよりむしろ、とりあえず青いからシャッタカイトと呼ばれているケースのほうが多いような気がしてきた。
ターコイズカラーのシャッタカイトも研磨されて流通している。

標本の産地はシャッタカイトが発見されることで有名な土地。
特に石英と共生して発見される標本は高い人気がある。
強いバイブレーションを持つ霊的存在としてヒーリングの世界で珍重されているシャッタカイト。
そのバイブレーションが本物かどうか、今一度確かめる必要がありそうだ。




50×43×30mm  43.98g

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