2012/05/28

フェナカイト/アクアマリン/フローライト


フェナカイト×アクアマリン×フローライト
Phenacite/w Aquamarine, Fluorite
Siyany Mountains, Deposit Snowy, Buryatia, Russia



フェナカイト(フェナサイト/フェナス石)の大きな結晶に、水色のアクアマリンが見え隠れし、紫のフローライトが華を添えている。
ホワイト~クリーム色のフェナカイトは、主役ながら素朴で地味。
何も言われなかったら脇役に見えてしまうかもしれない。
もともと、産出そのものが少ないため、希少価値・相場ともに年々上昇を続けている。
多くは1グラムに満たない欠片で、10gを超える標本は貴重品となっている。
フェナカイト、アクアマリン、フローライト。
この類い稀なる組み合わせは、ロシアから近年、僅かに発見されたものだという。
数年前に、欧米のヒーラーの間で流れていたものを運よく入手した。
現在も流通はある。
産出があるかどうかについてはわからない。

ロシア産のフェナカイトは貴重品で、なかなか拝む機会がなかった。
確かに、表面には土が付着していて、あまり綺麗とは言えない。
しかし、当時の私にこの大きさは衝撃であった。
洗う気になれず、そのまま保管してあった。
先日、たまたま見つけて、手に取った。
私の撮影技術ではその魅力を存分に引き出せなかったことが悔やまれる。

ロシア産フェナカイトは、クリスタルヒーリングを嗜む人々に特に人気が高い。
透明感においてはミャンマー産のほうが優れているし、形状のバリエーションにおいてはブラジル産が群を抜いている。
しかしながらロシアンフェナカイトの波動は、それらとは比較にならないということである。
ヒーリングストーンの頂点は、フェナカイトとアゼツライト。
次いでモルダバイト、ダンビュライト、ブルッカイト、水晶やニューエイジストーン各種が並ぶということになっている。
選ばれし人々のみが手にする石、フェナカイト。
そんな扱い。

驚く方もおられるかもしれないので、補足しておく。
波動はともかく、石が人を選ぶのには理由がある。
流通の少なく相場の高い石は、タイミングや予算などが違えば入手できないのが常。
また、入手ルートが限られることもある。
サチャロカアゼツライトはその典型的な例だろう。
フェナカイトはれっきとした鉱物で、専門家が見ないとそれとわからない、という曖昧さはない。
それどころか、一目でロシア産とわかってしまうような、独特の魅力を放っている。
クリスタルヒーラーのみならず、鉱物収集家にも好まれる希少品であるがゆえに、入手が難しいのだ。
一生モノを手にするためには、最低限の購入資金と、鋭いアンテナが必要となる。

さて、昨年Heaven&Earth社から、セラフィナイト入りフェナカイトなるものが登場し、話題を呼んでいる。
産地はウラルのエメラルド鉱山とのことだから、マリシェボからの産出ということになるのだろう。
フェナカイトとしては大きく見応えがあり、清らかで颯爽とした印象が心地よい。
気に入って大切にしている。
石としては文句のつけようがない。
ただ、違和感は拭えない。
当初は金雲母とセラフィナイト、フェナカイトが共生した状態で発見されたという。

ピンときた方もおられるかもしれない。
以前、ゴールデンセラフィナイトという鉱物を取り上げた。
セラフィナイトの産地は本来、ロシアのバイカル湖付近に限定されるということだった。
この "セラフィナイト入りフェナカイト" の産地と推測される、ウラル・マリシェボ鉱山からはかなりの距離がある。
手持ちの石に関しては、何らかの鉱物が共生していることがわかる程度。
セラフィナイト(もしくは鉱物名:クリノクロア)なのかどうかについては、肉眼での判断は困難であった。
天使の羽根という喩えの由来となった、独特の模様や深いグリーンの色合い、柔らかな質感などはみられない。
出処はモスクワ、地質博物館の学芸員とのこと。

白くてふんわりしたものが好きだ。
ロシアンフェナカイトの特徴でもある、雪のように白く、まるみをおびた姿。
結晶中に時折みられる透明な窓は、光を受けて虹色に煌く。
波動については素人ゆえ判らぬが、可愛らしくてたまらない。
数あるフェナカイトの中でもひときわユニークな「アクアマリン・フローライトの結晶を伴うフェナカイト」を私はおすすめしたい。
残念なことに、私のもとにはこれひとつ。
どうかあなたのもとにも、届きますように。


35×32×23mm  26.02g

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