2011/09/07

モリオン(広島産黒水晶)


モリオン/黒水晶 Morion 
広島県江田島



今年の2月頃、知人からシトリン(黄水晶)とモリオン(黒水晶)を頼まれた。
聞けば、占い師に、シトリンとモリオンを守護石として持つよう言われたらしい。
天然モノが欲しいとのことだったが、どちらも加工処理して作るのが一般的で、天然モノは希少。
予算内で収まるわけがない。
最近の占い師は恐ろしいと思っていたところ、直後に福島原発の事故発生。
放射能を防ぐパワーストーンとして、モリオンを求める人が後を立たず、ちょっとした騒ぎになったと聞いている。

かつてモリオンは人気がなかった。
その生成過程には、放射能が関わっているとされる。
放射能を嫌う日本人にとっては不気味な存在であり、一般人には手の届かない高級品だったせいもあって、好き好んで集める人は少なかった。
チェルノブイリ原子力発電所近くから、モリオンが大量に発見されるという噂もささやかれたほど(→
ヘリオドール参照)。
これらに科学的根拠はなく、あくまでも噂に過ぎない。
しかしながら、黒い色はもともと、死と深い関わりがあった。
モリオンの語源は、猛毒の朝鮮朝顔からきているといわれている。

モリオン / 黒水晶については産出が少ないせいもあって、まだわかっていないことが多い。
一般的には、長い間地中の放射線に晒された結果、水晶の結晶構造が破壊され、黒くなったものとされている。

わかりやすくいえば、被ばくして細胞が死んじゃった水晶?
産出するのは主にペグマタイトと呼ばれる地質からで、長石などを伴って発見されることが多い。
代表的なのは、岐阜県中津川市の黒水晶。


そんな中、偶然見つけた広島産モリオン。
地図を見て、当然ながら、よからぬことを考えてしまう。
聞けば、最初の発見は60年前。
大東亜戦争のさなか、軍事関係の施設の建設中に最初に見つかったという。
前述のペグマタイトから産出する、一般的な黒水晶で、余計な心配は不要とのこと。
つまり原爆投下とは何の関係もないということだ。


その後、長い間当地から黒水晶は発見されず、半ば忘れられていたらしい。
つい最近になって、現地を散策していた熱心な収集家によって再び発見され、話題になっている。
実に60年ぶりに発見された奇跡の黒水晶である。


60年前ぶりの発見?
終戦が1945年だから、少なくとも2004年には見つかってたってことになるのかな?
複雑な事情があって、それ以上聞けなかった。

モリオンには謎が多い。




60×53×31mm  98.99g

2011/09/04

ハウライト/マグネサイト


ハウライト Howlite
マグネサイト Magnesite
Zimbabwe



ハウライト(ハウ石)。
純粋・崇高・目覚めを象徴するといわれている。
発見者であるカナダの鉱物学者、ヘンリー・ハウ(ヘンリー・カウと一字違いですネ)に因んで命名された。
誰もが知っている、ありふれたパワーストーン。
トルコ石やラピスラズリの偽物として知られる、やっかいで紛らわしい石。

常識は、時に覆される。
もし、実際にハウライトを持っておられるなら、大いに自慢していただきたい。
なぜなら、本物のハウライトは現段階で、容易には入手できない貴重品だからである。
数万する標本も珍しくない。
いったいどういうことか。

実は、ハウライトとして現在流通しているのは、マグネサイト。
見た目はそっくりだが全く違う鉱物である。
どちらも染色が容易く、加工しやすい。
イミテーションの代表格としてきらわれるハウライト・トルコも、マグネサイトを染色したもので、ハウライトやトルコ石とは無関係。
戦後、ハウライトを染色加工した模造品が "亜トルコ石" として流通した名残りなんだそうだ。
ハウライトが次第に入手困難になってきたため、その代用として、安価なマグネサイトが使用されるようになった。

これまでハウライトとされていたビーズやアクセサリーまでもが、イミテーションだったのである。
「真犯人は違うところに隠れていたのね!してやられたわ!」
少しニヤニヤしてしまう衝撃の展開。

先日、大先輩でもあるショップのオーナーさんから、ハウライトを購入した。
この件についてはご存じなかったとのこと、驚きのご様子だった。
さっそく受け取ったのが写真のお品。
つるつるの綺麗なタンブル。
産地はジンバブエ。
ジンバブエからハウライトが出るかどうかを調べていくうちに、ジンバブエ産のマグネサイトにたどりついてしまった。
素人判断で申し訳ないのだが、他の情報と比較・検討した結果、マグネサイトで間違いなさそう。

参考)ハウライトとの混同、類似についての指摘
http://www.purestone.com/index.php?main_page=product_info&products_id=3367

本物のハウライトを確実に手に入れるのであれば、原産地であるアメリカ・カリフォルニア産を探すしかなさそう(→現物と記事はこちら)。
ただしかなり大きく、高価。
今後、加工品も出回るようになるかもしれないので、少し待ってみるのもいいかもしれない。
アメリカ以外にも、カナダから上記のような結晶体として発見される。
カナダ産はダークブラウンの小さな結晶体で、私たちが見慣れたハウライトとは似ても似つかない。

※他にメキシコ、ロシア、トルコなどからも産出がある様子。また、マグネサイトとハウライトが共生して発見されるケースがあるとのこと。(以上、オーナー談)

模造品の問題は深刻だった。
ターコイズ、ラピスラズリのほか、スギライトなどの高価な石が、入荷後に偽物だと判明し、騒ぎが相次いだ。
業者のほうがむしろ大変で、卸元に返品できず在庫を抱えてしまったり、買っていったお客さんに無償で返金を申し出るなど、後始末に追われた。
それが元々なんの石であったかなど、気に留めている余裕すらなかったのかもしれない。
実際に鑑定でハウライトが出たケースは稀だったはず。

オーナーには申し訳ないことをしてしまった。
半ば営業妨害、お世話になった大先輩に対して、やってはいけないことだった。
にも拘らず、オーナーは、私の疑問に対し、さまざまな角度からご見解を示してくださった。
また、ハウライトとマグネサイトの見分け方に関する素晴らしい情報も頂戴している。
さまざまな方のご意見を参照しながら、今後も考察を続けて行きたい。

写真右は、オーナーから譲っていただいた、アメリカ産ターコイズ。
ハウライトは、ホワイト・ターコイズと呼ばれることがある。
これは、現地の先住民に珍重された、滅多に見つかることのない白いターコイズ、つまりハウライトを指しているのだと、どこかで聞いた。
仲良く並ぶこれらの石に、何の罪があろうか。

ビーズなどの販売にあたって、ハウライト=マグネサイトであると明記するショップが増えている。
知名度の都合上、致し方ないのかもしれないが、 "別名マグネサイト" という表記はいかがなものか。
ハウライト/ハウ石 Ca2B5SiO9(OH)5 はケイ酸塩鉱物にして、だいたいカルシウム。
マグネサイト/菱苦土石 MgCO3 のほうは炭酸塩鉱物にして、だいたいマグネシウム。
パワーストーンブーム初期の段階で、既にハウライトは出回っていなかったようなので、見分けがつかないというより、誰もホンモノを見ていないのでわからないということ?


28×20×13mm 10.85g


ご協力いただいた鉱物店オーナー、B様に心より感謝申し上げます。
情報提供有難うございました。

2011/09/03

ロードクロサイト/稲倉石


ロードクロサイト/稲倉石
Roadcrosite/Inakuraishi
北海道古平郡稲倉石鉱山



本来、鉱物店は、流通している標本の中から良品を厳選してストックし、品揃えで勝負する。
このところの傾向として、流出の増えた標本を一気に売ってしまい、在庫がなくなり次第終了、という売り方が増加しているようだ。
こうした傾向がみられるようになったことで、石の価格も下がり、入手も容易になった。
ただ、時期を逃すと、入手は困難になる。
見つかっても、品質が劣るなど条件は悪化、難しい選択を迫られる。

しばらく鉱物の世界から離れていた。
そのため、その間に流通した重要な標本の多くは、出尽くした後だった。
北海道産のロードクロサイト(インカローズ)もその一つ。
国産鉱物の流行で再評価され、素晴らしい標本が数多く出回ったそうだ。
春のミネラルショーで見つけたのは、小さなアクセサリー程度、それもパッとしないものか、逆にとんでもないプレミアが付いた標本だった。

北海道のロードクロサイトの産地といえば然別鉱山、そして世界的にも有名な稲倉石鉱山。
中でも稲倉石鉱山のほうは、美しいロードクロサイトが産出することで古くから知られていた。
稲倉石の名も、標本名として定着している。
海外でも "Inakuraisi" と呼ばれ、評価は高い。

このロードクロサイト/稲倉石は、半ば諦めていた頃に、偶然見つけたもの。
幸運にも、ディーラーさんは地元の方。
信じられない価格で譲っていただいた。
稲倉石鉱山産ロードクロサイトの醍醐味でもある、ブドウ状原石を研磨したものだ。
透明感のある濃いピンク色の結晶で、幾層にも重なった縞模様が美しい。

ロードクロサイトと聞いて、南米アルゼンチン・ペルーのインカローズを思い起こす方は多いと思う。
それらの持つ華やかさ、 "パッションローズ" と称される大胆で情熱的な容姿。
稲倉石鉱山のロードクロサイトにもみられるが、この標本に関してコメントするなら、ハッキリ言って地味。
じっくり見ていただきたい。
ブラウンを帯びた深い色合いや、墨を流したような優美な模様、凛とした佇まい。
喩えるなら、ラテン系美人と大和撫子。
同じ鉱物でも、産地や加工方法によって、まったく雰囲気が異なってくる。
それぞれの持ち味を楽しみたい。

稲倉石鉱山の操業開始は、明治18年。
金、銀、銅、マンガンなどを産出し、その実績は全国に知れわたるほどであった。
同時に発見されるロードクロサイトは、アクセサリーに加工されるなどして珍重されたらしい。
コレクションも盛んだったようで、操業当時の標本が現存している。
1984年(昭和59年)に鉱山が閉山されてからは、立ち入りが難しくなっているとのこと。
また、良質なロードクロサイトはほとんど採れなくなったといわれている。

写真の石はオールドストック、昭和59年の閉山まで鉱山に関わっていた人物のコレクションだったという。
具体的な年代は不明とのことだが、昭和30~50年代に採取されたものだろう。
閉山から30年近く経っており、ご本人が現在どうされているかはわからない。
稲倉石鉱山の全盛期、そして時代とともに衰退していくさまを最後まで見守られた。
このロードクロサイトもまた同じ。
石がそれを記憶しているならば、聞いてみたいものだ。
残念ながら、私にそんな能力はないのだけれど。

ちなみに現地では、稲倉石は身近な存在で、日常風景の一部と化しているらしい。
街の飲食店の入り口に、巨大な原石がドスーンと置かれているとのこと。
北海道はスケールがでかい。

ロードクロサイト、インカローズの人気は高い。
南米アルゼンチン、ペルー以外にも、続々と新しい産地が見つかっている。
近年、アメリカ・コロラド州のSweet Home鉱山から、ジェムクォリティ(宝石質)のロードクロサイトが発見され話題になった。
また、今年のツーソンショーでは、新たに中国から発見されたロードクロサイトが注目を集めた。
Sweet Home鉱山のほうは2004年に閉山しているが、中国からはそれらに匹敵するトップ・グレードの結晶が多く出ているらしい。
絶産したとの噂を聞いて久しい、元祖(?)アルゼンチン産インカローズについては、またの機会に紹介させていただけたらと思う(→ココに概要だけまとめました)。

 
30×28×11mm  20.12g

2011/09/01

バストネサイト


バストネサイト Bastnasite
Zagi Mountain, Mulla Ghori, Khyber Agency, FATA, Pakistan



セリウムやランタンなどのレアアースを含む希少石、バストネサイト。
特にパキスタンのザギマウンテンからは、ジェムクォリティ(宝石質)の原石が産出することで知られている。


こちらは宝石質とはいえないが、比較的大きさがあり、結晶形の美しさが際立つ標本。
透明度の高いライト・ブラウンの結晶は、収集家の間で非常に人気があり、カットされるなどして流通している。
ちなみに放射性鉱物である。
放射能濃度は40Bq/g~50Bq/g程度。

鉱物の世界に興味を抱き始めた頃、希少石をこよなく愛する大先輩に出会った。
私を「レアストーンハンターうさこふ」と命名してくださった人物である。
いかなるジャンルであれ、コレクターは頑固で近寄りがたく、若輩者に厳しいもの。
しかし師匠は、まるで好奇心旺盛な冒険家のようであった。
その方から最初に譲っていただいたのが、当時究極のレアストーンといわれていたペイナイト。
そしてこのバストネサイトだった。
一目見て夢中になった。
当時は資料などなく、調べてもよくわからなかった。

放射性鉱物の収集は欧米、特にヨーロッパでは盛んである。
しかし、放射能アレルギーが蔓延する日本においては少数派であった。
福島原発事故以降、閃ウラン鉱など、これまで避けられることの多かった本格的な放射性鉱物が大いに売れており、鉱物店に問い合わせが相次いでいるそうだ。
実に素晴らしいことである。
ガイガーカウンターと併せて楽しみたい。

ペイナイト、バストネサイトともに、ここ数年でずいぶん身近な存在となった。
もはや究極のレアストーンと呼ぶことはできないだろう。
師匠は今どこで何をしておられるだろうか。
譲っていただいた希少石の数々は、倉庫のどこかにあるはず、探してみようと思う。



【パワーストーンのブレスレットによる被爆データ】

ジルコンも取り上げられているんですが、内容としてはつまらんです。
そもそもサンプルを取る段階で偏りが生じているのでは?
いっそ、パワーストーンに人類の負の遺産が凝縮されていることに言及してほしかった。
参考程度にどうぞ。



24×12×11mm  7.6g

2011/08/28

サファーリン


サファーリン Sapphirine
Kolonne, Sabaragamuwa Province, Sri Lanka



サファーリン、サファリン。
知る人ぞ知る希少石のひとつ。
主にスリランカ、タンザニアから発見される、ジェムクオリティ(宝石質)の原石がカットされ、流通している。
発見から200年近く経っているが、これまでに報告された最も大きなカットストーンは8ct(1.6g)程度であるといわれている。
多くは、落としたら二度と出てこないであろうミクロサイズ。
相場は1ctあたり一万円程度。
希少な割にお買い得だといえる。

サファイアのようにみえることがその名の由来だそうだが、カラーチェンジ・ガーネット(注1)に似た、ややグリーンを帯びたダーク・ブルーの色合いが一般的。
ずっとガーネットの一種だと思い込んでいた。
実際、成分はカラーチェンジ・ガーネット(正確にはパイロープ)に近いらしい。

注1)白熱光により青から赤紫に色変化を起こす、代表的なカラーチェンジ・ガーネット。かつてスリランカからも産出した。現在はマダガスカル産が中心。アレキサンドライトの色変化に似ていることから、アレキ・タイプとも呼ばれる。

初めてこのカットストーンを見たときには、なんじゃこりゃと思った。
色合いが明るすぎる。
明らかにガーネットではない…ことにようやく気づいた。
写真は、直射日光の下で撮影。
サファイアのようなブルーが美しい。
タンザニア産にはみられる色で、最近になって、スリランカからもこうした質の高い原石が出るようになったそうだ。
以前より見かける機会が増えたので、産出も増えたのかもしれない。
ネットでは、皆が皆「ほとんどの人は知らない石」として、紹介している。
それだけが取り得ではなかろうに。

サファーリンには多色性があり、写真にもイエローやパープルが映り込んでいた。
実際、イエローやパープル、また赤いサファーリンも存在するらしい。
産地も多様。
標本クラスの原石は主にマダガスカルやグリーンランド、そして南極大陸からも発見されている。
南極では、ダイヤモンド入りの隕石をはじめ、レアストーンが多く出ているようなので、勇敢なレアストーンハンターは、是非とも訪れていただきたい。
適当に岩石を拾い、ゴンドワナイト、ローラシアイト、パンゲアイトなどと名づけ、隠された神秘のハイエナジー・ストーンとして売り出すのもオススメ。
いいや、もう既にあったりするかもしれない。


0.18ct

2011/08/23

アンダラクリスタル


アンダラクリスタル
Andara Crystal
Sierra Nevada, Mt. Shasta Region, USA



存在感極まりない不思議な物体。
オブシディアンの一種であるが、その正体は謎に包まれている。
1967年、レディ・ネリーという女性により発見された。
なんでも、地中から突然出現したらしい。
ローマングラスのような、年代が特定できる近い過去の遺産とは異なる特殊なクリスタルで、ニューエイジ方面にて絶大なる支持を受けている。
現在流通しているのは、ネリーランドと呼ばれる彼女の私有地で、ひとつひとつ拾い集められたもの。
その数は非常に少ないといわれている。

アンダラクリスタルには、写真のクリア(オラクル)のほか、グリーン、ブルー、イエロー、ブラウン、シャンパン、アンバー、シーフォーム、ルミネッセント各種など、さまざまな色合いがある。
それぞれ用途は違うので、興味があれば調べていただきたい。
私が初めて手にしたのは、グリーンアンダラ。
超能力に関心のあるお客さんが増えてきたので、試しに注文した。
正規のルートで入れたのだが、ジュースの瓶の破片のような、毒々しいグリーンに吐き気を催し、段ボール内に封印した。
その後、どうしても欲しいという方が現れたので探したが、未だに発見されない。
儲ける気など毛頭ないのだから、出てきてくれてもいいんじゃないかと思うが、私が激しく抵抗感を示したのがいけなかったのだろうか。

今思うと、そのグリーンアンダラはおそらくシエラネバダ産ではなくインドネシア産だったのではないかと思う
注文する時に間違えたのかもしれない。
アンダラクリスタルには、シエラネバダ産以外にインドネシア産がある。
インドネシア産は色味が強く、天然石を見慣れた人には抵抗があるかもしれない。

※後日談:あれほど探したのに出てこなかったグリーンアンダラでしたが、これを入手した後、実家に帰ったら一発で見つかりました。シエラネバダ産に間違いなさそう。手にするのが早すぎたのかもしれません。

かつてアンダラクリスタルは、世界中のクリスタルヒーラーに注目されていた。
需要に供給が追いつかなかった。
小さなものでも一万円を超えていた。
故に、偽アンダラなるものが大量に出回った。
人工ガラスの製作に関しては世界一の腕前といわれる中華が、アンダラの流行を見逃すわけがない。
世界各国のオークションや通販サイトで、争いは繰り広げられた。
しかしながら、巨大すぎて違和感満載だったり、あり得ない色をしていたり、商品画像の背景が香港チックな怪しいビルであったりと、特に霊能力がない人でも一瞬で判別できる単純明快さがあった。

現在は技術が格段に向上し、難しい時代になった。
リスクのあるものに手を出すときは、初めは正規のルートで買うのが原則。
ヴィトンも初心者は直営店へ出向くべし。
本物を見たことがないのに、偽物を見抜けるわけがない。
アンダラのコピーが未だに流通している。
もしあなたが売り手なら、取り返しのつかないことになる。

3年前、思うところあってブルーアンダラを入手した。
グリーンとはまるで違った。
本当に美しかった。
何かしようと思った。
そこで、ずうずうしくも、世界最大のミネラルショー、アリゾナ・ツーソンショーに行くことにした。
飛行機のチケットやゲストハウスの予約はすぐ済んだが、よくよく考えるとショーまで1ヶ月半をきっていた。
もし行けなかったらショックで立ち直れず、最悪入院だったろう。
アンダラのおかげだと言えた立場ではないが、きっかけを頂いたことには大いに感謝する。

ネリー氏はその翌年、98歳でこの世を去った。
それを知って、彼女の面影の残った最後のアンダラを、手元に置かせてもらおうと思った。
写真のクリア(オラクル)がそう。
ネリー氏の事実上の後継者の一人に直接選んでいただいた。
瞑想に向いているらしいので愛用している。
一番好きなのはコレかな。

ちなみに、ネリー氏はおそらく見ることのなかったであろう、コズミックブラックと呼ばれる黒いアンダラが新たに発表されている。
手に取った感じ、これまでのようなガラス質ではなく、粘土質なんだろうか、鉱石の質感。
私は好きだが、好みは分かれそうだ。

お会いすることはなかったが、ネリー氏の一貫したところ、能力を売りにせず、物事に誠実に取り組む姿勢が感じられるところには、マリア・サビーナの如きインパクトを得たし、尊敬していた。
あのサイババからのオファーも快く受けたそうだ。
ネリー氏を囲む人々は、正直あまり好きではなかった。
彼女亡き後、厳しい時代が来るだろう。
ニューエイジャーたちに異変が起きている。
いったい何があったのだろう。

アンダラクリスタル。
古代の人々が使用していた聖なるクリスタルで、その後25万年もの間、地中でその日を待っていた。
クリスタルヒーリングには必須、また超能力の目覚め、人生の方向転換や魂のレベルアップを支えるほか、アセンションとも深く関わっているという。
ちなみに、持つ人を選ぶらしい。
欲しくなった?
あげない。


37×28×24mm  20.95g

今週、話題性が確認された10の鉱物

What Mineral Would You Take with You to A Deserted Island?