2011/07/17

スペクトロライト


スペクトロライト Spectrolite
Ylämaa, Etelä-Karjalan, Finland



スペクトロライト。
七色のスペクタクル。
ラブラドライトの一種で、フィンランドから産出する。
流通そのものが少ないため、その魅力は意外に知られていない。

スペクトロライトの原石は地味である。
ラブラドライトは明るいグリーン系、スペクトロライトは黒に近い色。
その違いだけだと思っていた。

写真は旅立つ当日、早朝の光にて撮影したもの。
受け取った友人は「七色すべての色が出るからスペクトロライトと言うんやな!」と驚いた。
私も驚いた。
確かに、そうだった。

ただ、こうして七色の色彩が大胆にあらわれるものは稀だという。
一般的にみられるのは、ブルーやグリーンの色合い。
こちらはヴィオラと呼ばれる、パープル~ピンクの色合いが出ているタイプ。
たくさんの原石から選び抜いたものを磨き、ようやく得られる希少品だと聞いている。

フィンランドは初めて行った海外。
3月だったので、首都ヘルシンキも雪だらけ。
予想外に地味な国だったが、その内容は実に深かった。
飛行機の窓からオーロラを見た。
ラブラドライトが夏の夜空なら、スペクトロライトは静寂につつまれた冬の夜空。
遠い春を待ち望む北国を想起させる、そんな石だと思う。


45×35×6mm 14.37g


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