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2012/07/08

スファレライト


スファレライト Sphalerite
Las Manforas Mine, Picos de Europa National Park, Cantabria, Spain



閃亜鉛鉱の名でも知られるスファレライト。
主にコレクション用のカットストーン(ルース/宝石)として流通していて、ビーズなどに加工されることはない。
希少石ながら世界中から産出があり、色合いはさまざま。
他の鉱物と共生することも多く、その魅力は一言では語りつくせない。
スファレライトは黒褐色の塊であることが一般的だが、スペインから産出したこの宝石質の標本は、鮮やかな色彩とメタリックな光沢を特徴とし、世界中の収集家から愛されている。
宝石質のスファレライトは、かつて日本からも発見され「べっ甲」と呼ばれ親しまれていたそうだ。
いずれも採掘は終了している。

鉱物に興味を持ち始めた頃、真っ先に注目した石のひとつ。
なんでも、古くから「霊力を高める石」として、世界各地の民族の間で儀式に用いられてきたらしい。
感性を高め、メッセージを受け取りやすくする力はなんとなく欲しい。
なんと、思考の偏りを正す力もあるというから、ひねくれ者の自分には最も適したパワーストーンである。
それまでは黒褐色のスファレライトしか入手できなかっただけに、ようやくこの標本を入手したときは、嬉しくてたまらなかった。

ところがある日、異変は起きた。
標本を取り出してみたところ、衝撃的な事態が発生していた。
なんと、表面に無数の暗灰色の結晶が発生しておるではないか。
結晶の一部は陥没しており、手の施しようがない状態だった。

本文下の写真を見ていただきたい。
左がビフォー、右がアフター。
当初見られなかった付着物で覆われている。
しばらく立ち直れなかった。

譲ってくださった方に問い合わせてみた。
閃亜鉛鉱が変質を起こすことは滅多になく、長時間水に浸しても変化するのは稀、とのこと。
何かしらこの石に緊急事態が発生したのは間違いないようである。
今までこのようなことはなかったために、油断していた。
左と右の写真の違いといったら!
原石というのは一点物。
もう一回探そうとして、あきらめた。
それから一年近く経つが、同じような雰囲気をもつ標本は見ていない。

以前も記したが、天然石=天然、だから安全とはいえない。
いわば天然の化学物質だから、化学変化は起きる。
珍しい鉱物を身につける場合は、どんな要素で出来ているかを十分に確認し、思わぬ事故を防ぎたい。
浄化の不手際や霊的予兆を疑うのは最後でいい。
しかしながらこれは最後まで原因がわからない。

ひねくれ者にはこのようなメッセージが届けられるということ?




34×22×15mm  25.53g

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