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2012/04/11

アトランティサイト


アトランティサイト
Atlantisite
(Stichtite-Serpentine)
Stichtite Hill, North Dundas, Tasmania, Australia



黄緑色のサーペンティン(リザーダイド)と紫色のスティッチタイト。
鮮やかな色彩のハーモニーが印象的である。
クリスタルヒーラーのメロディ氏によって紹介されたヒーリングストーンのひとつに数えられる、アトランティサイト。
産地に因んでタスマナイトとも呼ばれている。
その希少性と、メロディ氏のネームバリューも手伝って、長い間その人気は衰えることを知らない。
アトランティサイトの名の由来は、言うまでも無い。
失われた幻の大陸、アトランティスの叡智にアクセスできるというこの奇跡のクリスタルは、ヒーリングの分野のみならず、標本業界にも多大なインパクトを与えた。
事実上ニューエイジストーンの統括に関わって久しい、米・HEAVEN&EARTH社のカタログにもその姿を見ることができる。

パワーストーンとしてもお馴染みのサーペンティン。
正式には、鉱物のグループ名にあたり、アンチゴライト、クリソタイル、リザーダイトの三種類に分類される(アトランティサイトの黄緑色はリザーダイド)。
それぞれ色合いや質感が異なり、産地もさまざま。
また、特に珍しい鉱物とは言い難い。

鍵を握るのはスティッチタイト。
1910年、オーストラリア・タスマニアで発見された希少石である。
発見当時はサーペンティンと混在した状態だったという。
つまり、初期の段階において、その外観は "アトランティサイト" であったものと考えられる。
新しい鉱物という扱いを受けるこの石だが、発見から100年余りが経っているということになる。
スティッチタイトはサーペンティンの変化によって生じる鉱物。
両者には密接な繋がりがある。
しかしながら、スティッチタイトの産出はオーストラリア、タスマニアに集中している。
南アフリカやチェコからも報告されているが、数は少ない。
アトランティサイトが希少石として扱われる所以であろう。

先日、とても有り難いリクエストをいただいた。
この石には思い入れがあり、いつかまとめてみたいとある方にお伝えしたばかりだった。
アトランティサイトは、メロディ氏が命名した石のひとつ…であり…?
だったっけか?
命名までそうと聞いた記憶がない。
早速調べてみた。
日本では "メロディ氏が命名した石"というふれこみで、こぞって紹介されている。
しかし、メロディ氏による命名と明記している資料は(日本を除いて)見当たらない。
そればかりか、アトランティサイトの名付け親を名乗る人物が、世界各地に存在するようである。

アトランティサイトが世に知れ渡るきっかけとなるのは1998年。
関係者がスティッチタイト鉱山の権利を獲得した直後のことだという。
原石を得るため現地入りしたメロディ氏のはしゃいでいる姿が、タスマニアにて確認されている。
彼女が初期からこの石に関わり、普及に尽力したのは間違いない。
ちなみに、あまり知られていないが、クリスタルヒーラー・メロディ氏は、科学者/数学者という側面もお持ちである。
理系であったとは。
グランドフォーメーションを連発、鉱物に対して独自の見解を示し、世界を混乱させるカリスマ・我らがメロディ女史。
お会いしたことはないが、もしかしたら天然なのかもしれない。
彼女については、あくまでアトランティサイトを紹介した、という表現にとどめるべきかと思う。

メロディ氏を含む関係者に、鉱物のサンプルを提供した人物がいるという。
のちにアトランティサイトと呼ばれることになる、スティッチタイトの標本である。
そのやりとりにおける流れで、タスマニアとアトランティスとの関連性が話題に上り、命名に至ったのではなかろうか。
ただし、接点のみえない名付け親も存在する。

参考:オーストラリアの鉱物業者
http://www.openallday.au.com/StitchSerp.html

私のアトランティサイトとの出会いは、石に興味を持ってすぐ。
その鮮やかで個性的な姿を見て、一目で気に入ったのを覚えている。
発表年代としては前後するが、日本ではかつてスーパーセブンは高級品であって、気軽に入手できるものではなかった。
比較的安価で入手できるアトランティサイトのほうが、知名度は高かったはず。
だが、スーパーセブンとは異なり、その後定番商品として定着するほどの流通は無く、相場はむしろ上昇している。
現在もお探しの方は多いようだ。

写真は、選りすぐりのカポジョンを、友人にお願いして作ってもらったオリジナルのペンダント。
デザインにこだわり、あれこれ注文を付けたので、けっこうな額を請求された。
ジェットをアクセントにした理由は覚えていない。
後にも先にもこれひとつ。
厳選された素材を使った力作にして、今となっては二度と作れない幻のペンダント。
宝物はいつしか、思い出へと変わっていく。


31×25×10mm Handmade by Jun; Kyoto

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