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2012/06/19

オーラライト23


オーラライト Auralite-23
North of Lake Superior, Ontario, Canada



カナダ北部の聖なる土地より採取されるというAURALITE-23/オーラライト23クリスタル。
今年のツーソンショーで発表されたばかりの新しいヒーリングストーンで、シェブロンアメジストに似た模様を持ち、ポイント状に加工されている。
トップがヘマタイトに覆われていることもあるようだ。
その名の示す通り最大で23種類、少なくとも17種類の鉱物を含むとされる。
内部に含まれる鉱物の詳細はもちろんのこと、およそ15億年前に形成された太古のクリスタルであることが科学的に証明されたとのこと。

オーラライトのインクルージョンとされている23の鉱物は以下。

1) チタナイト/スフェーン Titanite
2) カコクセナイト Cacoxenite
3) レピドクロサイト Lepidocrosite
4) アホー石/アジョイト Ajoite
5) ヘマタイト Hematite
6) マグネタイト Magnetite
7) パイライト Pyrite
8) ゲーサイト Goethite
9) 軟マンガン鉱 Pyrolusite
10) 自然金 Gold
11) 自然銀 Silver
12) プラチナ Platinum
13) ニッケル Nickel
14) 銅 Copper
15) 鉄 Iron
16) リモナイト Limonite
17) スファレライト Sphalerite
18) コヴェライト/コベリン Covellite
19) カルコパイライト Chalcopyrite
20) 不明鉱物 Gialite
21) エピドート Epidote
22) ボーナイト Bornite
23) ルチル Rutile

伝説のアホー石、そして金やプラチナまで入っているとは豪華絢爛、恐れ入る。
まさに今が買い時、旬の味。
世界的に有名なクリスタルヒーラーたちが推薦者として名乗りを上げる目下話題のヒーリングストーンである。
産地はカナダ、スペリオル湖の北にある "Cave of Wonder" と呼ばれるネイティヴアメリカンの聖地だという。
よく発見されたものだ。
疑惑のコヴェライト、カルコパイライトが入っているというのは奇妙な印象(→詳細:ピンクファイヤークォーツ)だが、研究で解明されたということだから、どのような輝きが見られるか確認できる絶好のチャンスである。

疑問としては、

1) 鉱物として関連性の高いものを23に分けて表記していること
2) 産地がネイティヴアメリカンの聖地であるのが自慢なのに、ネイティヴアメリカンが発見することなく、昨年ようやく見つかったこと
3) これまでに売れたヒーリングストーンの要素を網羅していること
  • 複数の鉱物インクルージョン - スーパーセブン
  • 世界中のクリスタルヒーラーが絶賛 - 多数
  • 太古の鉱物 - シャーマナイト他
  • 計画された販売戦略 - プレセリブルーストーン
  • コヴェライト入り - ピンクファイヤークォーツ
  • 研究者により科学的に立証済み - 多数
  • ネイティヴアメリカンの聖地から出現 - 多数
  • 金プラチナ - 買取強化中 ほか
4) 研究機関、研究目的、論文の所在などが不明(スイス人研究者のよう)
5) 海外・国内ともに、解説文の23種類の内包物一覧にGialite(ギラライトとのスペルミス?もしくはありそうでなかった新鉱物ガイアライト?)という、現時点では謎の鉱物名が記載されており、そのことに対して言及がなされていない
6) 肉眼で確認できるのは鉄の関連鉱物のみ、詳細は以下に記/サンプルが少ないため断定は困難
7) 原石の加工における規格が統一されていること
8) なんか、どっかで見た気がする

さっそくオーラライトの内部の様子を観察してみた。
クリアなアメジスト…だと私は感じた。
ルチルやゲーサイト、エピドートは、鉱物中の針状インクルージョンとして広く知られている。
幾らか見えてもおかしくないのだが、私には確認できなかった。
困ったことになった。

アヴェンチュレッセンスを示す鉱物が多く含まれているとあるから、光に反応するはず。
それを確かめるべく、太陽光での撮影を決行したのが写真。
ピンクや赤、パープル~ブルーの輝きが結晶の3箇所に確認できる。
ただ、手元にある5つのオーラライトのうち、アヴェンチュレッセンスが確認できたのは写真の1点だけ。
残りは肉眼では認められなかった。
鉄や銅に関係する鉱物が入っているならば、タンザニアのサンストーン、ロシアのサンムーンストーンのような輝きが出てもおかしくない。
また、アホー石(アジョイト)は一般に、水晶内部のグリーンのインクルージョンとして認められなければ価値がないとされている。

批判的な内容になってしまったが、この石はきらいではない。
きっと、私の目に狂いが生じているのだ。
聖なるクリスタルに疑問を抱くような私の目に真実など映らないのである。
収集家に根強い人気を誇る希少鉱物の宝庫、モンサンチレールを有し、どちらかというと堅い印象だったカナダの石が、今ヒーリングの世界で注目を浴びている。
これからさらなるヒーリングストーンが登場するかもしれない。
オーラライトを手にした感想は、非常に爽快で初々しく、輝かしい印象かな。
まるで、かの有名なサンダーベイ・アメジストのよう。

あれ?
突然、サンダーベイ・アメジストに見えてきた。
カナダの名産品として古くから知られる、サンダーベイ・アメジスト/レッドアメジスト。
表面が酸化鉄などに覆われ、赤く染まったアメジストのことを指し、鉱物標本として人気は高い。
カナダ北部・サンダーベイ近くの鉱山がその産地とされる(→地図、☆印)。
奇しくもスペリオル湖の北、☆印の真上付近にオーラライトの産地 "Cave of Wonder" があるものと考えられる。
詳細な場所が明かされていないため、この付近の鉱山の一箇所としかわからない。

サンダーベイ・アメジストに、ゲーサイトやヘマタイト、レピドクロサイトのインクルージョンが入ることは珍しくない。
表面が鉄分で赤く染まっているという点でも、実によく似ている。
何らかの関連があるのかもしれないが、カナダは広く地質学的なことについては無知であるため、鉱脈など専門的な事柄について言及するのは控えたい。
鉱山の様子を記録した動画を文末に示した。




オーラライト23クリスタルの全貌と、産地である神秘の洞窟の魅力を伝えるドラマティックな動画。
このように豊富なインクルージョンが見られるかどうかについては、依然として確認できていない。
心が綺麗な人でないと見えないものは古くからある。
なお "Cave of Wonder" は海外で人気のゲームの一種とみられる。



見た感じは普通の鉱山と動物及びスーパーセブンに似たレッドアメジスト


※注意が入ることは絶対にないはずですが、重大な誤認が認められた場合、市販商品に対しての真偽や違法性を問うものと誤解を受けた場合は、訂正します。ワクワクしながら愛を込め、素直に記したものであることをここに明記します。

なお、23種類の鉱物中、唯一の謎だったGialiteについては、デヴィッド・ガイガー氏により、新鉱物ガイアライトであることが明らかになりました。


56×25×10mm  13.40g

今週、話題性が確認された10の鉱物

What Mineral Would You Take with You to A Deserted Island?