2012/05/18

ダイヤモンド



ダイヤモンド Diamond
産地不明



宝石の頂点、ダイヤモンド。
古代より人類を惹きつけてやまぬ石。
何千年が経ってもその価値は失われることなく輝く。

ダイヤモンドは贅沢品。
天然に存在する鉱物の中では最も硬度が高い。
4月の誕生石。
結婚指輪。
イメージとしてはそんな感じだろうか。
決して安いものではないが、驚くほど高いものではない。

鉱物としては炭素の一種。
一応のランクはあるが、店によってはテキトウな印象を受けることも少なくない。
透明感に乏しいダイヤモンドは数千円で入手できる。
ただ、資産価値がある石は1ctを超えるものに限られるそうだ。
資産として所有する場合、鑑定書が必要となる。
宝石については、鑑定料(意外に高額)込みであると思っていいかも。
いっぽう、ピンクダイヤなど、産地が限られ枯渇の危機に瀕しているものを探す場合は、非常に高い買い物になる。

宝石についてはまだ勉強中の身である。
宝石の世界は非常に難解。
専門の教育を受けた人間の活躍する場と聞いている。
鉱物標本としてのダイヤモンドは少なく、大半はカットされ宝飾業界に流れている。
ダイヤモンドの原石の多くは双晶を成しており、標本としての面白さや産地の確かさから信頼性は高いものの、カットすることでかえってランクが下がることが多いという。
複雑構造を持つ結晶からは小さな石しかカットできず、高い技術が必要だ。
カットされることでよりいっそう輝くのがダイヤモンド。
私が持っているのもすべてカット石。
長い歴史において、イミテーションが数多く存在したのも、呪われたダイヤが存在したのも、この石の美しさに人を狂わせる力があったためだろう。

※ダイヤモンドについての詳細をお調べの方、ご購入を検討中の方は、下記リンクをご参考にどうぞ。これより先はうさこふ個人のエピソードです。
http://usakoff.blogspot.com/2013/02/blog-post_6632.html

神戸宝飾展のお仕事をいただいた。
以前お世話になったスリランカの宝石商様の紹介だった。
宝石の世界を垣間見る絶好の機会である。
本当に嬉しかった。

私に仕事を下さったのは、VIPブースの出店者。
建前上、この展示会は特権階級の人間しか入れないということになっている。

VIP会場は、昨今のミネラルショーでは相手にされない中国人業者のビーズショップや、売れ残りの宝飾品を法外な値段で並べている店ばかり。
客層は東南アジア系が大半。
一人だけ白人女性を見かけたが、不機嫌そうな顔で足早に立ち去っていった。
あちこちで中国語が飛び交うさまは、ツーソンどころか国内のミネラルショーでさえ見たことのない光景だった。

私が知りたかったのはダイヤモンドやパライバトルマリンなど、資産価値のある宝石に関する知識。
加熱シトリンや放射能処理されたトパーズについて学びに来たのではない。
こうしたビジネスに関わり、人々を騙してジャンクを売りつける度胸は私には無い。
もちろん高級宝石は若い方には手が出ない価格帯だから、少しでも興味を持っていただけるかどうかは今後の宝石業界を左右する。
しかし、高齢社会を迎えるにあたって、眠っている宝石を発掘することができなければ、やがて没落を見ることになるだろう。

石をこよなく愛する誠実な宝石ディーラーさんから購入したダイヤモンド。
私の宝物。
確かに、大粒の素晴らしいダイヤモンドを販売している店はあった。
だけど、これを超えるダイヤを身につけている客を見ていない。
未だバブル気分の人々がいるのは知っていた。
お金がなくなれば哀れな抜け殻である。
重要なのは、後世に残るミュージアムピースを客に提供することではないか。
使い捨ての石を売るようでは、やがて客も離れていくだろう。

宝石は時に人を狂わせる。
歴史がそれを物語っている。
だからこそ誠実な販売が必要な時に来ていると思えてならない。

0.41ct

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